開催趣旨:脳腫瘍の発生率は人口10万人に対して約12人ですが全体として悪性のものが多く、治療は容易ではありません。その最も大きな理由は、脳という重要な組織に発生しているために、腫瘍が正常脳の中に浸潤した部分を広く切除できないことによります。近年、腫瘍細胞をより特異的に描出可能な5-アミノレブリン酸(ALA)を導入し、脳腫瘍の摘出率が向上しました。私達は、ALAの代謝産物で赤色蛍光を持つプロトポルフィリンIXが腫瘍細胞に特異的に蓄積する分子機構を解明し、光線力学療法を進化・向上させるための研究開発を行ってきました。その結果、ABCトランスポーターABCG2の阻害剤を併用することによって、プロトポルフィリンIXの癌細胞外への輸送を強く阻害して、ALA-光線力学療法の効率が顕著に向上する事を突き止めました。定量的構造活性相関(QSAR)解析、分子軌道計算法、3次元ファーマコフォア解析法等を駆使して、ABCG2を阻害する創薬分子デザインを展開し、ALA-光線力学療法の治療効果を向上させるためのin vitroとin vivoの実験を繰り返し実施して臨床応用に結び付ける事に成功しました。そのような背景を鑑みて、CBI学会の研究講演会をオーガナイズして、皆様にこれまでの研究成果と将来展望をご報告したいと存じます。
日時: 2014年2月24日(月)13:30-17:30 場所: 東京大学山上会館大会議室
(東京都文京区本郷 7-3-1)世話人: 広野修一(北里大学)、石川智久(理化学研究所) 協賛: 日本オミックス医療学会、日本薬物動態学会、ポルフィリン-ALA学会
プログラム
1.13:30~14:10
2.14:10~14:50
「高速スクリーニングに基づく新規QSAR解析」
石川 智久(理化学研究所)
「ABCG2トランスポーターリガンドの3次元ファーマコフォア解析」
山乙 教之(北里大学) <休憩>14:50~15:00 3.15:00~15:40
「細胞系と動物実験によるproof-of-concept (POC)」
井上 裕貴(明治薬科大学) 4.15:40~16:20
「悪性脳腫瘍の光線力学治療にむけた臨床研究」
梶本 宜永(大阪医科大学) <休憩>16:20~16:30 5.16:30~17:30
「薬物トランスポーター研究の32年間をふりかえって:高齢者の個別化医療へ新展開」
石川 智久(理化学研究所) 特別講演要旨 ・ 発表PPT 18:00~20:00 懇親会
場所:山上会館1階談話ホール(レストラン ハーモニー)
参加費:3,000円
申し込み方法:講演会の参加申し込みフォームで同時にお申し込みください。
※キャンセルの場合は、2月17日(月)までににご連絡ください。
それ以降の取り消しは、後日懇親会費用3000円を請求させていただく場合があります。
講演会参加費参加申込み
(種別) (料金) 法人会員 無料 一般 個人会員 無料 非会員(一般) \10,000 学生 学生会員 無料 非会員(学生) \1,000 終了しました。お問い合わせ◆情報計算化学生物学会(CBI学会)事務局
TEL:045-924-5654 FAX:045-924-5684