開催趣旨:
地球規模で進行する温暖化によって人類が直面しているウイルス感染症の危険性は日に日に増している。昨年、国内初の海外渡航歴のないヒトへのデングウイルスの感染やアフリカにおけるエボラ出血熱の感染拡大などは記憶に新しいところである。ウイルス感染症対策として、ワクチン開発と並んで、安定性や投与の簡易さ、コストの面から抗ウイルス薬などの化学薬剤の開発への期待や重要性が増している。しかしながら、抗ウイルス薬開発には今なお、化学薬剤耐性の発現の問題が大きな課題となっている。本講演会では、世界初の抗インフルエンザ薬の開発に成功したオーストラリアのMark von Itzstein先生の御来日の機会をとらえて、合理的創薬の実際の成功例として、Zanamivir(商品名:リレンザ®)の開発についてのご講演をいただくと共に、国立感染症研究所部長の竹田誠先生から、最新のインフルエンザウイルスに関する話題として、インフルエンザウイルスHAタンパク質の変異による活性化宿主プロテアーゼTMPRSS2特異性の変化についてご紹介いただく。さらにこのジャンルを牽引する若手研究者にも登壇いただき、in silicoからの最新のアプローチについても発表する。単なる活性向上を目指した合理的創薬ではなく、化学耐性、安全性など、実際に上市に至るまでの各領域に渡る題材を提供したい。本セミナーでは、人類が直面するウイルス感染症に対して、実際の成功例や最新の研究成果を元に合理的創薬を総合的に討論することで、喫緊に解決すべき課題を議論する機会としたい。
日時: 2015年5月13日(水)13:15-16:40 場所: 東京工業大学キャンパスイノベーションセンター 1階国際会議室
http://www.cictokyo.jp/access.html
(東京都港区芝浦3-3-6)世話人: 常盤広明(立教大理)、福澤薫(日大松戸歯)
プログラム
1.13:15-13:20
開催の挨拶2.13:20-13:50
「インフルエンザウイルス生体内活性化におけるHA糖鎖と宿主プロテアーゼTMPRSS2の役割」
竹田 誠(国立感染症研究所 ウイルス第3部)3.13:50-14:10
「インフルエンザの制御と計算科学」
五十嵐 学(北海道大学人獣共通感染症センター)4.14:10-14:30
<14:30-14:55 休憩>
"Fragment molecular orbital study concerning influenza viral surface proteins"
福澤 薫(日本大学・松戸歯学部)5.14:55-16:10
6.16:10-16:40
"Targeting influenza virus-host cell interactions for drug discovery"
Mark von Itzstein(Griffith University, Institute for Glycomics)
Abstract
総合討論
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