***第11回CBI学会FMO研究会のお知らせ***

「FMO法に基づいた新規な力場の構築に向けて」


開催趣旨:
 高精度で汎用性の高い分子力場は、創薬や材料科学の分野で求められる複雑な分子系のシミュレーションの根幹をなすものであり、現在も積極的に既存力場の改良が進められている。分子力場の取り扱う分子の構造は多岐にわたり、力場に用いられるポテンシャル関数のパラメータの最適化のためには、分子構造の変化に伴う電子状態の変化を正確に反映した、高精度の量子化学計算の使用が不可欠である。 FMO法は、計算対象を小さなフラグメントに分割し、小規模計算を複数並列実行することで計算コストを大幅に削減し、従来ab initio計算が適用不能であったタンパク質などの巨大生体分子の量子化学計算を可能にしたユニークな手法である。FMO法を用いれば、例えば、リガンド小分子やタンパク質中のアミノ酸残基の力場パラメータを、溶液中に孤立した状態ではなく、より現実的にリガンド・レセプタ複合体中で最適化できるようになる可能性がある。 本会では、最近の分子力場開発の動向、またパラメータ最適化に対するFMO法の適用可能性や関連分野について活発に研究を展開されている先生方にご講演いただき、FMO法の本分野における応用展開の可能性や問題点などについて議論したい。  

日時 2016年4月15日(金)14:50~17:40
場所 理化学研究所 横浜キャンパス 中央研究棟C210-212

プログラム

参加費:無料(懇親会参加の場合は1000円)
共催:JSBi創薬インフォマティクス研究会、FMO創薬コンソーシアム

14:30-14:50 受付
14:50-15:00 イントロダクション  理化学研究所CLST 本間 光貴
15:00-15:40 東京大学先端科学技術研究センター 藤谷 秀章
     「Vital Issue of Molecular Dynamics Simulations: Force Field」
15:40-16:20 京都大学大学院理学研究科 高田 彰二
     「蛋白質特異的な力場:FMO/MM/CG マルチスケール技法によるアプローチ」
16:20-17:00 理化学研究所CLST 沖山 佳生
     「フラグメント分子軌道法から古典力場を捉え直す」
17:00-17:40 パネルディスカッション
18:00-19:00 立食による懇親会(会費1000円)