開催趣旨:
システムバイオロジーは、生物や細胞をシステムとして捉え、その全体の仕組みや振る舞いを理解することを目的とした学際的研究領域です。分子生物学の飛躍的発展によって遺伝子やタンパク質に関する研究が進み、網羅的解明が現実のものになってきたことによって進展してきた分野と言えます。近年、システムバイオロジーという言葉を聞かなくなってきているという印象がありますが、ゲノム科学が急速に進展する中その重要性は増してきており、様々な別の言葉でこの領域の研究が進んでおります。Natureが2014年に「Systems Biology and Applications」を、またElsevierが2015年に「Cell Systems」を創刊したのもそれを反映していると言えましょう。
本講演会ではこうした状況を踏まえ、改めてシステムバイオロジーを取り上げてその最新の状況を講師の先生方にご紹介頂くと共に、創薬に対してどのようなインパクトがあるかを議論したいと考えております。
本分野の研究には日本の先生方の寄与が多大であり、また分野の広がりや厚みも大きいのですが、今回はあえて4名の先生方に講師を絞り、少し長めの時間を使ってそれぞれの分野の進捗をご紹介頂こうと考えました。創薬を取り巻く状況が厳しくなる中、ビッグデータと呼ばれる情報をいかに構造化して活用していくか、創薬に携わる多くの方々にご参加頂けます様宜しくお願い申し上げます。
日時: 2016年5月24日(火)13:15-17:50 場所: 東京大学山上会館2階 大会議室(東京都文京区本郷7-3-1) 世話人: 嶋根 みゆき(中外製薬株式会社)、高土居 雅法(杏林製薬株式会社)、
片倉 晋一(第一三共RDノバーレ株式会社)
プログラム
- 13:15 - 13:20 はじめに
- 13:20 - 14:20
「システム医科学におけるオープンイノベーションを促進するガルーダ・プラットフォーム」
北野 宏明((特非) システム・バイオロジー研究機構)
- 14:20 - 15:20
「幹細胞と遺伝子ネットワークを用いた構造活性相関を使用しない化合物毒性予測システム」
藤渕 航(京都大学iPS細胞研究所)
<15:20 - 15:40 休憩>
- 15:40 - 16:40
「システムバイオロジーを用いた免疫シグナル・エピジェネティクスネットワークの理解」
岡田 真理子(理化学研究所 統合生命医科学研究センター)
- 16:40 - 17:40
「システム分子医学と複雑系疾病理論--- がん転移のアトラクター理論を例として」
田中 博(東北メディカル・メガバンク機構/東京医科歯科大学)
- 17:40 - 17:50 おわりに
講演会参加費参加申込み
(種別) (料金) 法人会員 無料 一般 個人会員 無料 非会員(一般) \10,000 学生 学生会員 無料 非会員(学生) \1,000 終了いたしましたお問い合わせ◆情報計算化学生物学会(CBI学会)事務局
TEL:03-6890-1087