***第464回CBI学会講演会のお知らせ***

 「アロステリック制御の解明と創薬への新たなアプローチ」

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開催趣旨
アロステリック創薬は、従来の方法では標的としにくいタンパク質に対しても新たな治療薬を開発する可能性を秘めており、非常に注目されています。合理的なドラッグデザインを行うためには、アロステリック部位の同定技術、制御機構の解析技術、実験による評価技術などが重要となります。本講演会では、計算科学的および実験的な双方の観点から、第一線で活躍されている先生方をお招きし、アロステリック創薬に関する最新の研究成果や今後の展望についてご講演いただきます。
日時 2025年5月29日(木)13:00-17:20
場所 オンライン配信(Zoomウェビナー使用)
世話人 大原 康徳(日本たばこ産業株式会社)、奥田 歩(興和株式会社)、村﨑 広太(田辺三菱製薬株式会社)
連絡先: お問い合わせは、下記メールまたはTELにお願いいたします。

TEL: 03-6435-0458 (情報計算化学生物学会(CBI学会)事務局)

プログラム  

  1. 13:00 - 13:05 はじめに

  2. 13:05 - 13:45
    「アロステリック調節薬によるμオピオイド受容体の活性化機構」
    今井 駿輔(理化学研究所)

    鎮痛作用を司るGタンパク質共役型受容体mオピオイド受容体(MOR)は、モルヒネなどのオピオイド鎮痛薬の作用点である。MORにはこれらのオルソステリックリガンドの他にアロステリック調節薬が知られており、その活性発現機構を明らかとすることは新たな作用機序を持つ新規鎮痛薬の開発に資する重要な課題である。本発表では、溶液NMR法を用いた解析によって、MORが活性の異なる3構造間の平衡状態にあり、アロステリック調節薬はこのうち最も活性の高い構造の存在比を上昇させることで従来のオルソステリックリガンド単独では達成できないレベルに活性を高めることを明らかとした成果について紹介する。

  3. 13:45 - 14:25
    「リン酸化酵素を標的とした解離の遅い低分子阻害剤の同定と評価」
    喜井 勲(信州大学)

    臨床試験を通過して承認されている低分子阻害剤は、標的とするリン酸化酵素からの解離が遅い傾向にある。しかし、共有結合を用いずに、このような解離の遅い阻害剤を狙って設計することは未だ困難であり、合理的な設計概念とその探索・評価技術が求められている。本講演では、リン酸化酵素DYRK1Aをモデルとして、抗体と抗原の結合なみに解離の遅い低分子阻害剤の探索とその特徴や評価技術について紹介する。加えて、解離速度を指標とすることで、近縁の類似リン酸化酵素との選択性を担保できることも紹介する。

  4. <14:25 - 14:30 休憩>

  5. 14:30 - 15:10
    「アロステリック創薬のためのSKYプロットの開発」
    白木 琢磨(近畿大学)

    アロステリーという現象は様々な意味で使われるため整理しておきたい。いわゆるJacob&Monodが1961年に名付けたアロステリック制御は、1956年にUmbargerにより報告された代謝産物による代謝上流の酵素に対するネガティブフィードバックの発見から議論が始まった。つまり、酵素の基質となる物質以外にも酵素に対して影響を及ぼす物質が存在し、基質とは競合せず酵素蛋白質に結合し活性を制御する、そのような現象をアロステリック制御と呼んだ。本講演でもアロステリック創薬はこのような文脈で使用する。 未だに蛋白質におけるアロステリック制御の実態は不明瞭である。本講演では、2型糖尿病治療薬の標的分子として創薬研究を牽引した核内受容体PPARgを題材として、structure-based drug discovery (SBDD)の光と闇を経験した私の経験を紹介するとともに、もがきながらもアロステリック制御の実態に分け入り、SKYプロットの開発を経てアロステリック創薬に光明を見つけた経緯について紹介したい。

  6. 15:10 - 15:50
    「共溶媒分子動力学計算によるタンパク質構造へのプロファイリング」
    広川 貴次(筑波大学)

    共溶媒分子動力学(MD)計算は、小分子(プローブ)を高濃度でMDシミュレーションに加えることで、共溶媒分子がターゲット分子の表面にどのように結合するかを解析し、潜在的な結合部位を特定することに有効な手段として広く用いられている。本発表では、プローブの選定やアロステリック・クリプトサイト同定への実施例など、これまでの動向を概説し、現在、取り組んでいる共溶媒MDシミュレーションの活用例について紹介する。

  7. <15:50 - 15:55 休憩>

  8. 15:55 - 16:35
    「量子インスパイアード最適化技術「SQBM+」を活用したアロステリック創薬」
    木村 圭一(AOI Biosciences株式会社)

    AOI Biosciencesでは東芝デジタルソリューションズ株式会社と共同で、量子インスパイアード最適化ソリューション「SQBM+」を活用して、タンパク質の立体構造情報からアロステリックサイトを予測する技術を開発しました。本技術を基盤とした独⾃のアロステリック創薬(ABDD:Allosteric-based Drug Design)では、創薬困難とされるタンパク質 (undruggable target)に対しても新たなターゲット領域を検出し創薬を可能にします。本講演では、弊社アロステリックサイト予測技術の概要と本技術で予測したアロステリックサイトを標的とした候補化合物探索の取り組み(in silico/in vitro)について紹介します。

  9. 16:35 - 17:15 パネルディスカッション

  10. 17:15 - 17:20 まとめ


講演会参加費
(種別) (料金)
法人会員 無料
一般 個人会員A 無料
個人会員B ¥3,000
非会員(一般) ¥10,000
学生 学生会員 無料
非会員(学生) ¥1,000

キャンセルの場合、2025年5月22日(木)までにご連絡いただければ手数料を差し引いて返金します。
それ以降は講演会参加費のキャンセル返金はできません。
締切日(開催日一週間前)にコンビニ決済を選択すると5日間の支払猶予期間があるため、最長開催2日前まで支払いを延期できます。
ただし、支払いが完了しないと正式な参加申し込みとはならないため定員オーバーで参加できない可能性があることをご容赦願います。
参加費が無料の方も、キャンセルされる場合は、なるべく早くにご連絡ください。こちらでシステムから取り消します。
参加申込み 
2025年4月3日より受付を開始します。

※2025年5月22日(木)まで受け付ける予定ですが、定員に達した場合は予告なく受付を締め切ります。
※Zoom アプリは最新にしておいてください。
※参加登録をお済ませの方には、2025年5月26日(月)までに、Zoomウェビナーへの入室情報を電子メールでお知らせします。
上記期日までに届かない場合は、下記お問い合わせ先までご連絡ください。
お問い合わせ
◆情報計算化学生物学会(CBI学会)事務局
  
   TEL:03-6435-0458