開催趣旨:
ウイルス感染症との戦いは人類が生存するために不可避です。この戦いに勝利するためには、多種多様なウイルス感染症の病態メカニズムの全容を解明し、ワクチンや治療薬を迅速に開発することが必要です。本講演会では、モルビリウイルス、B型肝炎ウイルス、RSウイルスによる感染症研究の最前線で活躍されている3名の先生にご講演をいただき、ウイルス感染症との戦いにおいてCBI学会が果たすべき役割について議論を深めることを目指します。
日時: 2025年9月12日(金)13:20~16:55 場所: オンライン配信(Zoomウェビナー使用) 世話人: 福澤薫(大阪大学)、田中成典(神戸大学)、西村有平(三重大学) 主催: CBI学会関西部会 連絡先: お問い合わせは、下記メールにお願いいたします。
情報計算化学生物学会(CBI学会)関西部会事務局
プログラム
- 13:20-13:30 はじめに
- 13:30-14:30
「ウイルス学と計算シミュレーションによるモルビリウイルスの種特異的SLAM認識の解明」
竹田 誠(東京大学)
麻疹ウイルスはヒトに感染するモルビリウイルスであり、他にも種々の動物に固有のモルビリウイルスが知られている。本研究では、モルビリウイルスが示す種特異的感染性の分子基盤を明らかにするため、主要受容体であるSLAMとの相互作用に着目し、ウイルス学的手法と計算科学的手法を組み合わせて解析を行った。一部のモルビリウイルスまたはその株では、モルビリウイルス受容体としてのSLAMの種特異性が明確に認められたが、その違いは数個のアミノ酸変異によって規定されることが実験的に示された。さらに構造モデリングおよび分子動力学シミュレーションにより、受容体認識の違いを裏付ける分子基盤を明らかにし、感染性の種特異性に寄与する残基を特定するとともに、モルビリウイルスによるSLAM認識のダイナミクスを定量的に描出することができた。
- 14:30-15:30
「60年の謎に挑む:HBVポリメラーゼRTドメインの構造解析と創薬戦略」
大﨑 恵理子(大阪大学)
B型肝炎ウイルスポリメラーゼは逆転写酵素(RT)活性を持っているが、立体構造は依然未解明である。私たちはRTドメインの高純度精製と世界初の結晶化に成功し、現在構造解析を進めている。本講演では、予測モデルに基づくドッキングシミュレーションやin silicoスクリーニングの最新成果とあわせて、創薬応用への展望を紹介する。
- 15:35-15:45 (休憩)
- 15:45-16:45
「ヒトパラインフルエンザ2型ウイルスベクターを用いた遺伝子組換えワクチン作製プラットフォームの構築」
野阪 哲哉(三重大学)
我々は地元のベンチャー企業バイオコモ社と共同でパンデミック危機を想定した遺伝子組換えワクチン作製目的のプラットフォーム技術を開発した。BC-PIVと名付けられた非増殖型ベクターはヒトパラインフルエンザ2型ウイルスに由来し、ワクチン作製に適した様々な特性を有する。中和抗体を誘導するのに適した立体構造を持つ抗原/遺伝子をBC-PIVに搭載させることにより有効性の高い感染防御型ワクチンを迅速に作製する事ができる。本講演ではBC-PIVを基盤としたRSウイルスワクチンを中心に、エボラウイルスワクチン、SARS-CoV-2ワクチンに関しても紹介したい。
- 16:45-16:55 おわりに
講演会参加費参加申込み
(種別) (料金) 法人会員 無料 一般 個人会員A 無料 個人会員B \3,000 非会員(一般) \10,000 学生 学生会員 無料 非会員(学生) \1,000
・キャンセルの場合、2025年9月5日(金)までにご連絡いただければ手数料を差し引いて返金します。
それ以降は講演会参加費のキャンセル返金はできません。
・締切日(開催日一週間前)にコンビニ決済を選択すると5日間の支払猶予期間があるため、最長開催2日前まで支払いを延期できます。
ただし、支払いが完了しないと正式な参加申し込みとはならないため定員オーバーで参加できない可能性があることをご容赦願います。
・参加費が無料の方も、キャンセルされる場合は、なるべく早くにご連絡ください。こちらでシステムから取り消します。
7月1日より申込を開始します。お問い合わせ
◆情報計算化学生物学会(CBI学会)関西部会事務局