薬づくりの真実
臨床から投資まで
Drug Discovery
from Bedside to Wall Street

Tamas Bartfai & Graham V Lees 著
神沼二眞 訳
多田幸雄、堀内正 監修
新刊発行しました!
価格: \3,000(税込み)
         <ISBN 978-4-9903708-1-7>
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<<某製薬会社の研究所で、読書会の書籍に選ばれています>>

昨今話題となっています産学連携に関しましては、両者の考え方、特に知的所有権の考え方に大きな違いがあるようです。これは当学会の1月の研究講演会でも話題となりました。この本はまた別の角度での産学連携の見方や現状を提起するものであるとも言えます。ぜひお手にとってご覧いただければ幸いです。
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・・・今日では、薬のほとんどが民間企業でつくられているから、それらは商品であり、ビジネスの対象となる。この意味では、原書の副題にあるウォール街Wall Street に象徴される、株式市場の関心事でもある。ビジネスとしての薬づくりに大きく関わっているのが規制regulation( 法律) であり、その担当者( 行政Administration、規制当局regulatory office) である。薬産業は極めて厳しい規制の下にある産業であり、ビジネスである。
 したがって、薬づくりには、科学・技術としての側面、投資対象となるビジネスとしての側面、行政や政治の関わる規制としての側面、薬が使われる医薬サービスの受け手である患者などから見た側面、さらには国際的な制度の調和の問題など、さまざまな側面や問題がある。しかも、これらの要素は複雑に絡み合っているから、その全体像を正しく認識し、制度やその意義を理解することは極めて困難である。それぞれの側面を語れる専門家はいても、その全体像をバランスよく語れる「専門家」は、ほとんどいないと言えるほどである。また、これらすべての要素を抱合するような薬づくりの本をこれまで訳者は見たことはない。
 本書の特徴は、科学・技術研究の視点とビジネスの視点に立脚しながら、薬づくりを論じていることである。とくにこの領域における主要な仕切り役Player であるビッグ・ファーマと呼ばれる大手製薬企業の行動原理が詳述されていることが、本書の最大の特徴であり、また魅力である。・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・訳者あとがきより

(原本出版の経緯についての参考サイト)
http://www.scripps.edu/newsandviews/e_20060313/bartfai.html
*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*  目次  *-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*
まえがき
謝辞
著者について
はじめに:約束手形の後始末
◇第T部 社会のための医薬品
第1章 人に分子を送り込む技
第2章 期待を煽ることと期待が高まること
第3章 歴史の効用
第4章 より優れたβ遮断薬開発への障壁
第5章 なぜある種の良薬は機会に恵まれず、他の薬は失敗に終わるのか
第6章 標的と臨床候補選択の経済学
第7章 標的を基礎にした創薬:その1
第8章 必要な改革
◇第U部 基礎から臨床
第9章 標的を基礎とした創薬:その2
第10章 「薬につながる」標的
第11章 薬の多さと化学構造の少なさ
第12章 候補薬をどのように見つけるか
第13章 実際的なことがら:ビッグ・ファーマにとっての障害物
第14章 バランスのとれたポートフォリオづくりへの実際的な試み
第15章 効きめのある安全な薬を探す確率を如何に高めるか
第16章 治験の試練
第17章 潜在的な標的と疾患状態を関連づける
第18章 標的のさらなる探索
◇第V部 合法的な薬を製造し売るビジネス
第19章 ビジネスの基本(一般論)
第20章 成長産業における付加価値
第21章 どうやれば最も利益があがるのか
第22章 バイオテクの薬理経済学
第23章 下降する標的の価値
第24章 会社の資産をどう評価するか?化合物ライブラリーをしらべる
第25章 合併すべきか、せざるべきか
第26章 食品医薬品局(FDA) との共同作業
第27章 薬の適正使用のための規制
◇第W部 医薬品づくりで何が問題になるのか
第28章 作業仮説は:もっとよいやり方がある
第29章 「我々」は皆、何を研究しているのか
第30章 日々の食事よりも薬:産業界と法律づくりの現状を変える
訳者あとがき
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