日時:2002年9月18(水)〜20(金)
場所:東京ファッションタウン(TFT)ホール(お台場、東京)
CBI学会の関心領域・論文投稿区分
分子計算 ・ 分子認識 ・ 分子生物学における情報計算技術
・ ゲノムワイドな実験データの解析
医薬品研究と毒性研究支援システム ・ 疾病メカニズムと制御モデル
・ その他
開催趣旨
インターネットに象徴される情報技術(IT)革命とヒトのゲノム解析計画に象徴される生物学革命は、相乗して関連する科学技術の様相を大きく変えている。本大会は昨年の主要テーマとして、ITとゲノム革命の医薬品研究へのインパクトを取り上げたが、本年はそれに続く課題として、診断と治療へのインパクトを取り上げた。すでにチップやマイクロアレイ技術は実際の診断に使われようとしている。また、SNPなど個人の遺伝的な微小変異データの蓄積は、その違いを考慮した個別の治療計画(パーソナライズド・メディスン)への期待を高めている。さらに病原微生物のゲノム解析に基づくより的確な抗菌剤の開発、発生学の知見を生かした臓器再生治療、より適切な薬物投与法の開発などへの取り組みも活発である。こうした新しい潮流は、一方で患者ごとに管理すべき情報の爆発をもたらし、また情報の守秘義務への特別な配慮を喚起している。それは研究者にとっても、医療サービスの提供者にとっても、その受け手にとっても、またそれ以外の関係者にとっても未知なる世界である。
この大会はこの未知なる世界のイメージを探り、研究開発やサービスを支える情報計算基盤を明らかにすることをめざしている。本大会がこれまでの大会の参加者だけでなく、医療分野の研究者や関係者、さらに同時に開催されるゲノムテクノロジーフォーラムの参加者にとっても魅力のあるものとなることを願っている。
基調講演
David Cox, Stanford Human Genome Center, director
「保健・医療のための遺伝学の実際的な応用」
優秀な一般投稿ポスターへの賞品;
一般演題投稿のポスター演題から優秀賞が選ばれます。
表彰された演題には下記の豪華賞品が授与される予定です。
アップルコンピュータ株式会社
Power Mac G4 Dual 1GHz(512MB/DVD-R,CD-RW/100BaseT/MacOS X-J)
Apple Cinema Displey 22"
アドビ システムズ株式会社
Acrobat5.0 5本(Win版2本、Mac版3本)
株式会社シマンテック
Norton Internet Security 2002(6本)
ノースウエスト航空
米国への往復ペアチケット(ビジネスクラス)
マイクロソフト株式会社
WindowsXP,OfficeXP※優秀論文賞となった発表はCBI JournalへのFull paperとして掲載を優先的に考慮されます。
・事前申し込み :一般6000円、会員 3000円、学生3000円
・当日 :一般8000円、会員 4000円、学生4000円
主催 : 情報計算化学生物学会(CBI学会)
特別協力 : IDGジャパン
同時開催 : ゲノムテクノロジー・ビジネス・フォーラム
お問い合わせ先: 東京医科歯科大学難治疾患研究所生命情報学(田中研究室)
〒113-8510 東京都文京区湯島1-5-45
電話番号: 03-5803-5839(田中教授室)/03-5803-5840 or 5841(研究室)
ファックス番号: 03-5803-3618(田中教授室)/03-5803-0247(研究室)
E-mail: cbi2002@bioinfo.tmd.ac.jp
詳細はCBI学会のホームページ:http://www.cbi.or.jp/
CBI学会の関心領域、論文投稿区分
1.分子計算
2.分子認識
3.分子生物学における情報計算技術
4.ゲノムワイドな実験データの解析
5.医薬品研究と毒性研究支援システム
6.疾病メカニズムと制御モデル
7.その他
近年の計算機技術の発展は目覚ましいものがあり、医・薬・生物・化学など、CBIがターゲットとみなす分野において、情報・計算による解法が現実のものとなりつつあります。
このような背景から、CBIが標的とする領域の中での大規模計算機管理から、生物データベース管理、データ発掘、計算化学・情報の理論、プログラム開発、応用計算、シミュレーション、ディスプレイに至るまで、計算機の利用が開く可能性のあるあらゆる種類の演題を求めます。一部は、例えば分子認識の理論計算など、他の分野とオーバーラップすると考えられますが、気にせずにご応募ください。
分子生物学の進歩によって今や生命や疾病現象が生体内の分子の相互作用として理解されようとしている。医薬品、農薬の開発や環境汚染問題における研究は、生体外からの化学物質と生体系の分子との相互作用の理解に帰着される。この分子間相互作用解明のための理論と計算によるアプローチおよびデータベースを対象とする。
(1) 医薬品や化合物の毒性を含む生物活性の構造活性相関解析(QSAR)
(2) 生命の素過程である生体内の分子間相互作用のモデリング
(3) 受容体とリガンドとの相互作用モデル
(4) 計算による結合性の予測(Docking Study)
(5) 薬らしさ(Drugability)の解析
(6) HTS(High Throughput Screening)のためのライブラリー
(7) In silico スクリーニング
3.分子生物学における情報計算技術(Bioinformatics and Bio Computing)
この分野は、Bioinformatics、Computational Biologyなどと呼ばれる研究分野であり、大量に生産される生体分子関連の実験データの整理、編集、蓄積、解析、解釈への情報技術の応用や理論的な解析や予測法の研究が中心である。すなわち、
1. ゲノム解析、遺伝子配列領域の予測、ホモロジー解析、アライメント解析など核酸やタンパク質などの主に配列に対する情報処理。新たなアルゴリズムや生物学的機能との関連などに注目した情報処理。
2. タンパク質の構造と機能解析、受容体や抗原基の構造およびそれらに関連した解析。タンパク質3次元構造の予測の計算方法のみに関係するものは1で扱う。生物学的機能の関連で構造を議論する。
3. 機能ゲノム学や比較ゲノム学、遺伝子配列からの機能の予測など種間での遺伝子やゲノムの比較、形態形成遺伝子、生命の最小遺伝子セットなど
4. 分子進化、分子系統樹解析、ウィルスやバクテリアの宿主内進化など
5. さらにGenomic Computing, データマイニング、3D計算生物学、疾病の遺伝子の探索、環境因子応答の遺伝的なバリエーションの解析と応用、医薬品開発や毒性学への応用に関連した情報技術(IT)や計算技法(Computational Methods)などを対象とする。
ただし、現在急激に増えてきたゲノム・ワイドな計測に関係した研究は次の分野として独立させている。
4.ゲノムワイドな実験データの解析(Genome Wide Experimental Data Analyses)
マイクロアレイ、プロテオミクス、メタボロミクス、セロミクス、パネルアッセイなど、同時計測実験で網羅的に得られた大量データを解析した研究、その解析結果から有用情報を抽出するデータマイニングの研究、およびそのためのコンピュータシステム、情報処理システムなどの研究を対象とする。また、医薬品開発をめざした薬理ゲノミクス、毒性ゲノミクス、環境汚染物質に関係した環境ゲノミクスなどにおけるデータ解析・解釈に関する研究も対象とする。
5.医薬品研究と毒性研究支援システム(Information and Computing Infrastructure for Drug Design and Toxicology)
医薬品の開発や医薬品の適正使用に向けた医薬品情報提供や、毒性あるいは薬物動態研究を支援する1)一般有機化合物や、医薬品を含む生理活性化合物の構造や、2)医薬品や毒性化合物のADMEデータ、3)医薬品の適正使用に関わる情報などのデータ、4)SNPsデータなどのデータベース開発を包括的に募集する。
本部会は計算化学的手法により得られる構造や物性情報などの大量データを薬物動態学や、毒性学、薬理学に融合するための解析研究や、情報システムの開発、あるいは臨床情報を医薬品開発 にフィードバックするための情報システムの開発などについても広く募集する。
6.疾病メカニズムと制御モデル(Disease Mechanism and Control Model
疾病のメカニズムはこれまで、生化学、生理学、動物実験などによって組み立てられてきたが、いまや分子生物学の知見に基づいた分子の言葉で記述されるようにもなってきた。この分野は、ゲノムやゲノムワイドな同時計測データによって浮かび上がってきた分子レベルの現象としての疾病モデルや、それらのモデルとこれまでの生理学的なマクロモデルを組み合わせた臨床における治療を意識したモデルの研究、それらのモデルを用いた臨床研究や予防医学的な研究を対象とする。
上記カテゴリーにかかわらず,重要と思われる先端技術や技術革新に関する発表を募集する.情報技術であればSemantic Webやネット上の知識収集システムのような次世代のインターネット技術,Ontology,学術論文からの知識の自動抽出など,また実験技術で言えば,次世代のゲノムワイドな計測技術,マイクロフルーディックス,ナノテクノロジー,新しい概念に基づく分子デザインなどが対象になる.
さらに新しい研究構想,研究戦略,科学技術政策,産学官の連携,ベンチャー起業,教育や人材育成などの論説も含まれる.
CBI2002大会プログラム
ただいま調整中