早いもので1981年より活動を開始したCBI研究会も来年の3月で20年になろうとしています。繰り返しになりますが、この間いく度も解散かという事態に見舞われましたが、その度に多くの支援の手が差し伸べられました。とくに2年前は、事務局担当役員多忙のため、運営が難しくなったことがありましたが、これを乗り越え、最近はゲノム解析やバイオインフォマティックスなどへの関心の高まりもあり、講演会も盛況であり、入会者も増えております。継続は力なりと言いますが、これもすでに会を離れておられる(偉くなってしまわれた)方々も含めて協力して下さった方々のお陰と考えております。この20年、生命科学とコンピュータは相変わらず猛烈に進歩しておりますが、本会の趣旨などを改めて読み返してみても、最初にめざした目標もなかなか実現しないのだなという感じもいたします。いずれにしても、日本も、CBI研究会も、コンピュータや生命科学もあるいは世界も、H.G.ウェルズが予言した「情報と知識が開放された新しい社会」に突入しつつあるように思えます。CBIの諸活動への皆様のご参加を期待しております。このオンラインコミュニケーション誌は新しい形でのCBI NEWSの復刊をめざす試みの一部です。とりあえず事務局より不定期に活動の現状を会員にお知らせすることを目的をしています。活発な意見をお寄せ下さい。 (神沼 二眞)
このたび皆様のご推薦により、CBI会長(代表)を努めさせていただくことになりました。皆様御存知のように本会は産、官、学の研究者が年齢や経験や専門分野やその他さまざまな閥にとらわれず自由に意見を言い、創意工夫をこらし、未来を語るところに特徴があります。CBIの魅力は実践的な知識が得られるだけでなく 意外な出会いがあり知的な好奇心を刺激されるところにもあるように思われます。最近後者の魅力が多少薄れてきたようにも思えますが、このよき伝統を復活する必要もあるかと思います。この面で特に大学関係の若手研究者の積極的な参画を期待します。 最近大学でもTLOが次々と設立されておりますがCBIはそうした面でも出会いの場、情報交換の場となると思います。皆様の積極的な参加をお願いします。
CBI研究会は大事な変革期を迎えています。この時代は、CとIがBを盛り立てて行くという構図以外の選択枝はないと思います。今の世の中の動きを20年前に先取りした神沼さんの先見の明は、人のつながりをかたちと原動力として、このCBIに生き続いているのです。それを更に力の出るかたちにまとめて舵取りができるのは、平山令明さんしかいません。会長としては何もできなかった私も、一会員として、何らかのかたちでできることを果たして行く積もりです。皆さんも、平山さんと一緒に、力を合わせて頑張りましょう。
CBI研究会法人賛助組合代表をお引き受けして1年余りになります。
昨近CBI以外にも産官学のコンソシアムのような団体が多く旗揚げしているようですが、既に20年の歴史を持つCBIはこうした動きにおいても先駆者的存在です。CBIがその強みを生かしてますます発展するよう新しい会長の下で協力していきたいと考えておりますので皆様の御協力をお願いします。
平山新会長をむかえ、当会の長老的な存在であった細矢先生から、新しいバトンが受け継がれました。そのバトンの名は「ポストゲノム」というのだと思います。
この新体制に同調し、CBI事務局もベテランの小沢さんに加え、新進気鋭の大脇さんが参加されることとなりました。皆様もご存知のように、CBIの講演会もますます熱気を帯びてきております。これら参加を希望する会員皆様のすべてのご要望をCBI研究会に反映させるべきと心得ております。「新しい酒には、新しい酒袋を」のことばもあり、新しい事務局の体制が、会員の満足をみたすため、また円滑な研究会の運営のため、一段と活動力をあげることとなります。CBIのさらなる発展のために、会員皆様の率直な声をお寄せいただきたくお願い申し上げます。
世話人
皆様御存知と思いますが、私は1981年に現在CBI 研究会の創設に加わるとともに、以後役員、とくに事務局担当の世話人として、CBI研究会に永く関わってきました。その間(1989年)、厚生省の国立医薬品食品衛生研究所に移りました。ところが2年ほど前に、この研究所に医薬品の審査センターが付設されました。また、公務員が引き起こした一連の不祥事への反省から、本省でも倫理規定の見直しが行われております。そうしたことから私の属する研究機関においても「研究会」とか「勉強会」への参加も、世間の疑惑を招かないような配慮が必要であるとの見解が出されております。すなわち「学会」なら問題はないのですが、CBI研究会という「研究会」の名称では誤解を招きかねないという懸念がなされています。(いささか羮に懲りてなますを吹くの趣はありますが。)そこで私としては、ひとまず役員の肩書きを外して戴き、一会員として会の活動に参加させていただくことにしました。しかし考えてみればこの件は、私の個人的な問題ではなく組織の構造的な問題であり、根源には研究者の「研究会」なるものと、なんらかの利益誘導的な「研究会」あるいは「勉強会」が同じ名称では区別出来ないところにあります。
そこでこの際CBI研究会(計算機と化学・生物学の会)をCBI学会(計算機と化学生物学学会)と改称するのはどうかと考えてみました。このこと自体は簡単な手続きですむと思います。ところで、ミレニアムと呼ばれる2,000年はCBI発足よりちょうど20年になります。(会のスタートは1981年ですので正確には2001年が20年目となりますが)20年前と較べ、CBIの活動領域への関心も高まり、研究者も増えております。したがって、CBIの名称を学会に変更するだけでなく、現在の活動に加えて、少なくとも年一度は研究発表会を持ち、予稿集を作成してはどうかと考えてみました。こうした考えを平山会長に相談してみたところ前向きに考えてもよいのではないかというご意見を戴いております。名称変更は簡単ですが、発表会については実際に活動していただける方々の賛同と協力が前提となります。少なくとも私の属する組織に関する限り私より若い研究者のことを考えると、このようにしておかないと、CBIの産官学の協力関係も長期に維持するのは難しいように思われます。
この件は別に緊急を要する事柄ではありませんが、本年中によい結論が出せればCBIの20周年記念とミレニアムにふさわしい会の変身となるのではないかと考えます。一応私の試案を添付します。本件に関し皆様のご意見をお待ちします。 (神沼二眞、国立医薬品食品衛生研究所)
1.規約の下記の2点を改訂する。 (1)現在の規約の中の、CBI研究会の正式名称である「計算機と化学・生物学の会」を「計算機と化学生物学学会」と改める。 (2)第21条「本研究会運営の経費は、主として法人賛助会員が負担する」を削除する。 (3)規約の中の「本研究会」を「本学会」に改める。 2.研究発表をどうするかは名称の変更とは別に検討するが、できれば少なくとも年1回、研究発表を中心とした「大会」を開催する。
発表はつぎのようなテーマ、分野に分かれて行う。ただし、ウェットラボの研究発表は除外する。 (1)その年の特別テーマ (2)化学、生物学研究にインパクトを与える新しい情報技術 (3)分子計算および生物計算技術 (4)化合物と生体系の相互作用の解析とモデリング (5)細胞と生命系のモデリング (6)若手研究者の集会