*** 第157回 CBI研究講演会 ***

「分子設計のための基盤技術」


今回は、材料や生体分子などの分子設計を行う際の基盤技術となる手法をテーマに分子動力学法やコンビナトリアル・ケミストリーについて、最先端の研究の話を伺う会を企画しました。
まず、三上先生には、分子動力学(MD)シミュレーションの現状を紹介していただきます。おもに、ベンゼンクラスター、反強誘電性液晶、双頭型糖脂質など有機分子の構造解析を例に、可能なこと、困難な点などを解説していただきます。また、衣川先生には、「経路積分セントロイドMD法」(Cao & Voth, 1994 )という、新しい量子 MD法を紹介していただきます。この方法は、固体・液体水素の動力学や溶液・生体高分子中のプロトン移動などへの応用が期待されていますが、今回は、その運動方程式と積分アルゴリズムの開発や、リチウムーパラ水素クラスターに関する計算結果などの話が伺えると思います。最後に有國先生には、ホットな話題になっている「コンビナトリアル・ケミストリー」(組み合わせ化学)を取り巻く状況を解説していただきます。これは、組み合わせを利用して多数の化合物を効率よく合成する方法で、創薬、耐磁性物質の開発、超伝導物質開発、合成反応の触媒選択等にも威力を発揮していますが、さらに、分子識別分子、人工酵素、センサー等の開発においても強力な武器となることが期待されています。
皆様の積極的なご参加を期待しております。

日時: 1996年11月27日(水)  13時30分~17時30分

場所: 日本化学会 化学会館 501A
東京都千代田区神田駿河台1-5 (JRお茶の水駅西口下車、徒歩3分)

世話人:古明地勇人(工業技術院電子技術総合研究所)、小谷野和郎(コヤノリサーチ)

演題:
1.13:30~14:30
「コンビナトリアル・ケミストリー -最近の動向-」
講師 有國 尚 (近畿大学農学部)

2. 14:45~15:45
「新しい量子分子動力学シミュレーションの方法論と応用」
講師 衣川健一 (奈良女子大学理学部)

休憩

3. 16:00~17:00
「有機物質の分子動力学シミュレーション」
講師 三上益弘 (工業技術院物質工学工業技術研究所)


講演会参加資格:CBI研究会個人会員・法人会員の方、非営利研究機関の研究者の方は、どなたでも参加できます。法人会員以外の法人からの参加希望者は、一人 3000円の参加費が必要です。事前に必ず事務局に連絡してご参加ください。

連絡先: CBI研究会事務局
〒141 東京都品川区北品川5-3-20 第2エーエスビル 3F
Tel.03-5421-3598 Fax.03-5421-7085
E-mail: cbistaff
@cbi.or.jp