「生体分子の古典分子動力学法 最近の進歩」

古明地勇人
工業技術院 産業技術融合領域研究所/電子技術総合研究所

講演要旨
1977年に世界ではじめて、タンパク質の分子動力学シミュレーション(MD)が行われてから、20年以上が経過した。今や、MDは、生体分子の構造機能物性の解析、モデリング等に必要不可欠なツールとなっている。昨年には、ペプチドのフォールディングの初期過程のシミュレーションも発表されて話題を呼んだ。今回のセミナーでは、特に90年代に入ってから実用化された方法論を中心に、最近の生体分子シミュレーションの動向を紹介したい。内容は、溶媒分子の取り扱い、カットオフとノーカットオフ計算、専用計算機(GRAPE)、多時間刻み幅法、核酸:蛋白質複合体のMD、などを予定している。

講師プロファイル
1987 東大農学部農業生物学科卒
1992 東大大学院理学系研究科植物学専攻修了 電子技術総合研究所入所
1998 産業技術融合領域研究所に出向 今日に至る

専門
生体高分子の構造・機能・物性相関を、分子動力学法を用いて調べている