*** 第192回 CBI研究講演会 ***

「マイクロアレーからの大量データの解析手法」

 DNAチップはゲノム研究を加速している中核技術であるが、まだ(1)高価なこ と、(2)データの相互比較が難しいこと、(3)データの解釈が難しいこと、(4) スポットされていない遺伝子の情報しか得られないこと、などが障害となって いる。しかし、わが国でもこの技術は急速に普及しており、大量に生産される データを如何に解析、解釈するかへの関心が高まっている。そこで今回は、こ の問題について現状を把握し、CBI学会としても積極的な行動がとれないかを 探ることを目的として研究集会を企画した。まず午前中は、初心者も視野に入 れた基礎論文の紹介やDNAチップ技術の進歩の状況を解説していただき、CBIと して構想しているMicro AI計画を簡単に紹介する。午後はこの分野で先端を行 く海外の研究者に話題を提供してもらう。最初この分野でもっとも優れたソフ トウエアと定評のある Silicon Genetics のConway博士に、同社のソフトウエ アの開発思想や機能について解説していただく。次に、Display Systems Biotech社のPaul Diehl博士にマイクロアレイにすべての遺伝子情報を載せる 技術について話していただく。最後に、LION bioscience社のJan Michel博士 にマイクロアレイを利用した実験から相互作用を解析する、独自のシステムに ついて解説していただく。この会は、DNAチップによる診断や治療法の選択に 関心をもっている臨床研究者の参加を歓迎する。また、関心はもってはいる が、あまり知識のないという方々の参加も歓迎するが、Nature Genetics supplement vol.21 No.1, 1999や、高井講師 の参考論文(別紙)などに目を通していただくことをお勧めする。


日時:
2000年05月10日 (水) 10:00-18:00
場所:
日本薬学会 薬学会館 長井記念ホール
東京都渋谷区渋谷2丁目12番15号 TEL:03-3406-3326
世話人:
一石英一郎(京都府立医科大学)、河合隆利(エーザイ(株))
演題:
1. 10:00-11:00
「遺伝子発現プロファイルの医療診断と創薬への応用に関する論文の紹介(論文は別紙を参照)
講師:高井貴子(国立医薬品食品衛生研究所 化学物質情報部)
2. 11:00-12:10
「遺伝子チップの現状と技術開発」
講師:内田和彦(筑波大学 基礎医学系)
3. 12:10-12:15
「CBIマイクロAI計画について」
講師:神沼二眞(国立医薬品食品衛生研究所 化学物質情報部)
休憩
4. 13:30-13:45
「Affymetrix GeneChip実験データ解析における解決すべき問題点」
講師:河合隆利(エーザイ(株))
5. 13:45-14:45
「Analyzing Gene Expression Data」
講師:Dr. Conway (Silicon Genetics社)
6. 14:45-15:15
「チップデータ解析ソフト GeneSpring の使い勝手」
講師:百瀬祐子(生命工学工業技術研究所)
休憩
7. 15:30-16:30
「PAGEと組み合わせたDNAチップ技術」(仮題)
講師:Dr. Paul Diehl (Display Systems Biotech社)
8. 16:30-17:30
「Biomedical Data Integration - Microarray Data Analysis as a Typical Example -」
講師: Dr. Jan Michel (LION bioscience社)
講演会参加資格:
CBI学会個人会員、法人会員の方、非営利研究機関研究者の方はどなたでも参 加できますが、資料の量が多い場合は500円ないし 1000円程度の資料代を頂く場 合もありますので念のためご用意下さい。 法人会員以外の法人からの参加希望者 は一人 3000円の参加費が必要です。出席を希望される方は事前に必ず事務局に連 絡して御参加ください。
連絡先:
CBI学会事務局
〒158-0097 東京都世田谷区用賀4-3-16 イイダビル301号室
Tel:03-5491-5423
Fax:03-5491-5462
E-mail: cbistaff@cbi.or.jp