従来ホモロジー・モデリング法は何らかの理由で立体構造が実験的に求められない蛋白質の立体構造を推定するための苦肉の策として用いられてきた。しかしゲノム解析が急速に進む中で、より信頼性の高いホモロジー・モデリング法への期待は俄かに高くなって来ている。いわゆる構造ゲノムの進展により、今後蛋白質の立体構造解析はスピード・アップされると考えられるが、ゲノム解析と同時進行で研究を進めていく必要性は非常に高い。特に創薬につながる標的蛋白質の場合、詳細な立体構造の解析を待てない場合も少なくないだろう。一方、構造ゲノムの進展は、更にホモロジー・モデリング法による構造予測の精度を高めることにも貢献するだろう。このような状況から、これまでどちらかというと間に合わせ的に使われてきたホモロジー・モデリングの手法は、創薬や蛋白質機能に関連した研究に今後はなくてはならない手法になっていくであろう。今回の研究講演会では、ホモロジー・モデリング法を取り上げ、その現状、問題点、そして将来について議論をしてみたいと考える。
日時: 2002年2月27日(水)13:00-17:30
場所: 日本化学会 化学会館7階ホール
東京都千代田区神田駿河台1-5 (JRお茶の水駅下車、徒歩4分)世話人:平山令明(東海大学)
演題:
1.13:00−13:30
「ホモロジー・モデリング法への期待」
平山令明(東海大学開発工学部)2.13:30−14:10
「構造プロテオミクスにおけるホモロジーモデリングの役割についてのユーザーの立場からの期待と現状」
松尾 洋(理化学研究所 ゲノム科学総合研究センター)3.14:10−15:00
「創薬における蛋白質Bioinformaticsの利用とその問題点」
白井宏樹(田辺製薬株式会社 創薬研究所)4.15:30−16:30
「膜蛋白質のモデリング:Rhodopsinファミリーを中心に」
広川貴次(産業技術総合研究所 生命情報科学研究センター)5.16:30−17:30
「3D Bioinformatics and Protein Modeling for Drug Discovery (仮)」
Ken Kelly (Chemical Computing Group Inc.)
講演会参加資格:
CBI学会個人会員、法人会員の方、非営利研究機関研究者の方はどなたでも参加できますが、資料の量が多い場合は500円ないし1000円程度の資料代を頂く場合もありますので念のためご用意下さい。法人会員以外の法人からの参加希望者は一人3000円の参加費が必要です。出席を希望される方は事前に必ず事務局に連絡して御参加ください。
連絡先:
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