共催:医療情報学会
ヒトゲノム解読への挑戦は続き、来年には国際共同研究チームによる完全解読結果が発表される予定である。同様な解読作業は他の生物にも広がっている。配列の多様性の解析も一塩基変異(SNP)から、ゲノム全体にわたるハプロタイプ探索へと拡大している。これをポストゲノムと呼ぶか、本格的なゲノム科学の時代と呼ぶかはあまり本質的なことではないが、こうした努力が医薬品の開発や臨床医学に大きな影響を与えることは確実であろう。すでに米国では、疾病のPathway/Networkモデルから治療薬の探索や治療方針の選択、個人ごとの精密な診療(Personalized Medicine)に役立てようというベンチャー企業が台頭している。本講演の世話人であるわれわれもこうした研究に関心をもっているが、そのカギとなるのは、-omeや-micsなどゲノム・ワイドな同時計測とその解析に基づく細胞レベルのモデルと、組織や臓器レベルの生理学的なモデルとをどう結びつけるかにあるのではないかと考えている。こうした新しい研究をどう進めるか、今回はいわゆる生活習慣病などを例に気鋭の臨床研究者による臨床および基礎研究の最新の結果を報告してもらいながら、新しい疾病モデルづくりへの情報計算からのアプローチを探ることにした。
日時:2002年12月20日(金)13:05−17:40
場所:日本化学会 化学会館7Fホール
東京都千代田区神田駿河台1-5 (JRお茶の水駅下車、徒歩4分)
世話人:田中 博(東京医科歯科大学)、神沼二眞
演題
1. 13:05−13:20
問題提起―「ポストゲノム時代の疾病モデル」
田中 博(東京医科歯科大学)2. 13:20−14:20
「肥満研究の最前線:生活習慣病のモデルと臨床応用」
島袋充生(琉球大学医学部第二内科)3. 14:20−15:20
「臨床インフォマティクスの展開」*タイトル変更(11/26)
内田和彦(筑波大学基礎医学系)15:20−15:40休憩
4. 15:40−16::30
「核内受容体が関与するPathway/Networkのデータベースと疾病モデル」
中田琴子(国立医薬品食品衛生研究所化学物質情報部)5. 16:30−17::20
「東京大学病院におけるCBI(Clinical BioInformatics)の構想 」
永井良三(東京大学大学院医学系研究科内科学)*決定(12/10)6. 17:20−17::40パネル討論
Medical Informatics, Bioinformatics, Clinical Informaticsをどう結ぶか?
進行役 神沼二眞
講演会参加費: (本年10月より変更になりました)
CBI学会個人会員、法人会員の方は無料。非営利研究機関からの参加者は資料代を含め一人1000円、法人会員以外の法人からの参加者は資料代を含め5000円の参加費が必要です。出席を希望される方は事前に必ず事務局に連絡してください。
連絡先:CBI学会事務局 セミナー受付
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