この数年、研究会から学会へと名称を変更したCBI学会は、それまでの研究講演会中心の活動を、年次大会の開催や英文専門誌CBI Journalの刊行へと拡大し、日本学術会議にも登録される「学会」としての体裁を整えてきた。この間とくに、ヒトゲノム解読とその関連技術の創薬へのインパクトに適応することに努力してきた。次年度からの新しい活動として現在視野に入れているのは、この分野の研究者層を厚くするための教育講座やグランドチャレンジとして掲げたCBI学会を基盤とした研究開発事業である。いずれにしても重要なことは、猛烈に進歩しているバイオとITの流れを読むことであろう。
Celeraを退社したJ. Crig Venterは、3つの非営利研究機関を指揮して、ゲノム解析技術を基礎とした新しい活動を開始した。この中には、比較ゲノム学の発展、生命倫理の社会的な議論などが含まれる。彼はまた大統領に手紙を書いて、(1)2酸化炭素を吸収したり水素を発生するような人工微生物の開発、(2)バイオテロリズムへの対策、(3)すべての人のゲノムを解読し予防医学に役立てる、というような計画を助言している。
これは一例に過ぎないが、このワークショップ形式の研究講演会では、CBI学会を取り巻く環境の変化と、CBIの関心領域(Chem-Bio Informatics)の次の課題の探索、それを踏まえた新年度からの事業活動のイメージを、講演と討論によって具体的に明らかにすることを目的としている。また、学会ホームページの整備状況も報告する。CBI学会への参加を意義あらしめるように企画された1年に1度の会合なので、ぜひ参加されたい。一般の参加者からの発言も歓迎する。
日時:2003年3月20日(木)14:00−18:00
場所:日本化学会 化学会館7Fホール
東京都千代田区神田駿河台1-5 (JRお茶の水駅下車、徒歩4分)世話人:多田幸雄(大鵬薬品)、神沼二眞
プログラム
1.14:00−14:05
基調提言:「CBIを取り巻く環境の変化」神沼二眞2.14:05−14:25
03年大会準備報告:「ナノテクノロジーとCBIの関連」養王田正文(東京農工大)3.14:25−14:45
04大会準備報告:「創薬とCBIの課題」多田幸雄(大鵬薬品)4.14:45−15:00
刊行委員会報告:「CBI Journalの現状」中田吉郎(群馬大学)5.15:00−15:40
特別講演、「よい英語論文の書き方」三輪さつき(学会誌英文校正者)15:40−16:00休憩
6.16:00−16:05
「CBI教育講座構想とウエブ上の入門講座」神沼二眞7.16:05−16:25
「eラーニングの現状」鈴木勇(旭化成情報システム)8.16:25−16:45
「核内受容体を介する疾患モデルと創薬への応用:計算化学からのアプローチ」 田中成典(東芝研究開発センター)9.16:45−17:35
特別講演、「生理活性脂質データベース」八杉悦子(国立国際医療センター研究所)10.17:35−17:45 質疑と総合討論
講演会参加費: (本年10月より変更になりました) CBI学会個人会員、法人会員の方は無料。非営利研究機関からの参加者は資料代を含め一人1000円、法人会員以外の法人からの参加者は資料代を含め5000円の参加費が必要です。 出席を希望される方は事前に必ず事務局に連絡してください。
連絡先:CBI学会事務局 セミナー受付
〒158-0097東京都世田谷区用賀4-3-16イイダビル301
TEL:03-5491-5423 FAX:03-5491-5462
E-mail:seminar@cbi.or.jp