CBI若手研究者のための、夏のフロンティア探索シリーズ


科学技術の世界では、これまでのNano、バイオ、ITから量子情報計算、ポストゲノム医療、認知科学Cognitive Scienceへと関心が広がっている。また、大学や国の研究機関の独立法人化に伴い人材市場もPost Docを始めとする任期付きの研究職、専門職派遣が増え、流動化が著しく進んでいる。これらの変化の行き着くところは、科学研究職Careerのフロンティアの拡大である。ここにおいて拡大しつつある新しい分野にどう参入するか、Career Upの機会をどう探すか、新しい研究分野に必要な知識技能は何かを見極めることが大きな課題になっている。 CBI学会はこのような時代認識に基づいて、とくに変革の大波に洗われている若手研究者の職の機会の探索、新しい研究領域としてとくに注目されているBioinformaticsのフロンティアを例としたTutorial、新しい分野の現状と展望という3つのテーマを3日間の夏季特別研究集会シリーズを企画した。

(1) 8月18日 人材育成シンポジウム「先端的学際領域の専門教育と仕事の機会」 

於:日本化学会 化学会館7Fホール 

(2) 8月19日 Tutorial「Bio Pathway/Network入門」

於:理化学研究所 横浜研究所  

(3) 8月20日 研究講演会「Omicsと大規模データの解析」

於:理化学研究所 横浜研究所  

これから社会は学校の卒業がCareer Upの第1歩であり、専門知識と専門技能は働く場所を考えながら積み上げていく時代である。こうした時、なによりも頼りになるのは人のネットワークである。CBI学会は最初述べたような時代認識に立ち、新しい社会的な使命と考えている。 このシリーズはCBIの関連分野を学びたい者、あるいはそうした仕事に就きたい者、新しい分野を探している者など異なる立場の方に有意義なものであろう。8月20日には開催場所である理化学研究所の免疫・アレルギー科学総合研究センターの見学も予定されております。このシリーズに是非参加されますようご案内いたします。


(1) CBI学会人材育成シンポジウム「先端的学際領域の専門教育と仕事の機会」

開催趣旨: 

最近IT, ゲノム、ナノなどの言葉が、先端的な技術分野として、マスメディアを賑わしている。この分野の専門家を志す学生や若手研究者も少なくない。こうした分野の専門性をどう身につけていくか、最初の仕事の口をどう探したらよいか、さらに任期つきの雇用条件の下で次の職をどう探すか、さらに一度就職しても自らの天職を求めてどう転職していくかなどについて、悩んでいる学生や若手研究者は少なくないであろう。CBI学会の人材育成事業の一環であるこのシンポジウムは、上記の分野の専門家、経験者をお招きして話を聞くことにより、広く状況を把握しながら考える機会を提供することをめざしている。学生社会人を問わず、関心のある方々の参加を期待する。

日時:2004年8月18日(水)13:10−17:40 

会場:日本化学会 化学会館7Fホール 
東京都千代田区神田駿河台1-5(JRお茶の水駅下車、徒歩4分) 

世話人:神沼 二眞(広島大学量子生命科学プロジェクト研究センター)、田中 成典(神戸大学) 

協賛:(株)スタッフジャパン

プログラム: 

13:10−13:15 世話人挨拶:開催趣旨 

13:15−14:00 T.計算化学とバイオインフォマティクスの専門教育プログラム

広島大学における『ナノテク・バイオ・IT融合教育プログラム』 
相田 美砂子(広島大学)  

学ぶ機会の情報   
小宮山 直美(CBI学会事務局) 

14:00−15:55 U.どういう人材が求められているのか? −仕事の現状と今後の展望− 

新しい時代に皆で考えたいこと 
田中 成典(神戸大学)     

研究者としての経験から 
下川 和郎(理化学研究所) 

異分野から生命科学へ:計算化学と実験の融合に向けて 
福井 一彦(産業技術総合研究所 生命情報科学研究センター)     

製薬企業における計算化学とバイオインフォマティクスへの期待 
多田 幸雄(大鵬薬品、CBI学会会長)、
  堀内 正(第一製薬、CBI学会法人賛助組合代表) 

15:55−16:10 休憩  

16:10−17:05 V.就職、転職、天職 

派遣社員・契約社員、雇用の実態について
宇梶 純良((株)スタッフジャパン) 

私の経験から 
太田 篤胤(城西国際大学) 

どこに職の情報があるのか? 
小宮山 直美(CBI学会事務局) 

17:05−17:25 W.総合質疑、討論 

情報交換懇親会(参加費無料)軽い飲み物を用意する予定。

参加費:CBI学会の会員は無料。学生無料。その他は資料代を含め、1,000円。
参加を希望される方は事前に必ず事務局セミナー受付seminar@cbi.or.jpに連絡してください。

連絡先:CBI学会事務局 セミナー受付
            〒158-0097東京都世田谷区用賀4-3-16イイダビル301
            TEL:03-5491-5423  FAX:03-5491-5462  
          E-mail:seminar@cbi.or.jp


(2) Tutorial「Bio Pathway/Network入門」

日時:2004年8月19日(木)13:10−17:40 

会場:理化学研究所 横浜研究所 交流棟ホール 
横浜市鶴見区末広町1丁目7番22号 (鶴見駅東口よりバスで「理研・市大大学院前」下車、徒歩1分)

世話人:吉川澄美(理化学研究所)、湯川真澄(CBI学会事務局) 

共催:人工知能学会 生命知識研究会

開催趣旨

細胞における物質代謝、分子信号伝達、遺伝子制御という3つのPathway/Networkの解明は、ヒトゲノム解読計画後の 生物学の重要目標としていわゆる-omics技術などを駆使して急ピッチで解明が進んでいる。それに伴い、それらのデータや 知識を体系的に整理するPathway/Networkのデータベースづくりとそれに基づいた生体応答のモデルづくりが、バイオインフォ マティクスの重要課題となった。ここで問題となるのは、そうしたデータベースやモデル開発の目的である。90年代の初め からPathway/Network の重要性を指摘し、先駆的なシステムを紹介してきたCBI学会は、この2年ほど、Pathway/Network to Diseaseを標榜してシリーズで研究講演会を開催してきたが、我が国のこの分野の人材の薄さが大きな問題だと認識するに至った。 この教育講演会は、この分野のシステム開発では世界的な先駆者である東京大学の高井貴子博士と東京医科歯科大学の田中 博 研究室、理研小長谷明彦研究室の協力を得て、この分野の戦力となりうる研究者育成を目指して、翌日(20日)の研究講演会と併せて企画した。バイオインフォマティクスのフロンティアに関心のある若手研究者多数の参加を期待する。

プログラム: 

13:10−13:20 世話人挨拶

13:20−14:20 ヒトゲノム情報へのアクセス方法

ヒトゲノム情報へアクセスするためのブラウザーについて
田中 義智(東京医科歯科大学)

タンパク質相互作用データベースへアクセスするためのブラウザーについて
長谷 武志(東京医科歯科大学)

14:20−14:30 休憩

14:30−16:00 

ゲノム研究におけるオントロジーの開発と利用
高井 貴子(東京大学理学部)

16:00−16:15 休憩

16:15−17:15 代謝経路の古典から現代まで

バイオインフォにおける代謝経路を含むネットワークの重要性
長谷川 義和(理化学研究所 ゲノム情報科学研究グループ ゲノム知識ベース研究開発チーム)

講演会参加費
講演会参加費は8月19日、20日の2日間通して(1日のみの参加でも参加費は同じです)
法人賛助会員: 無料 
個人会員(非営利):無料 個人会員(一般企業):\5,000 
ビジター(非営利):\1,000 ビジター(一般企業):\10,000 
参加を希望される方は事前に必ず事務局セミナー受付seminar@cbi.or.jpに連絡してください。

連絡先:CBI学会事務局 セミナー受付
            〒158-0097東京都世田谷区用賀4-3-16イイダビル301
            TEL:03-5491-5423  FAX:03-5491-5462  
          E-mail:seminar@cbi.or.jp


(3) 第245回CBI研究講演会「Omicsと大規模データの解析」

日時:2004年8月20日(金)13:10−17:40 

会場:理化学研究所 横浜研究所 交流棟ホール 
横浜市鶴見区末広町1丁目7番22号 (鶴見駅東口よりバスで「理研・市大大学院前」下車、徒歩1分)

世話人:河合隆利(エーザイ株式会社)、吉川澄美(理化学研究所)

共催:人工知能学会 生命知識研究会

開催趣旨:

Omicsとは、DNAチップ(Transcrptomeの網羅的解析)、Proteomics, Metabolomics/ Metabonomics、タンパク質相互作用などに代表される、ゲノム解析に関連した網羅的解析技術のことである。こうした技術の適用範囲は、拡大を続けながら、分子生物学の基礎から、毒性予測、医薬品開発、臨床におけるまで、もはや必須の技術になっている。しかし、これらの実験や試験から産生される膨大なデータの解析と解釈には、コンピュータの支援が不可欠である。こうした技法は一般にデータマイニングと呼ばれる。しかし従来のデータ解析の延長では極めて不十分であり、専門知識が深く解析に介在しなければならない。とくに注目されてきたのがCBI学会が強調してきたPathway/Networkのような知識システムを動員することである。この講演会は、このような視点を加味して、さまざまな新しい分野で活躍されている講師をお招きするこの研究集会を企画した。前日(8月19日)に企画されている若手のためのTutorialとともに、製薬企業の若手研究者の参加を期待したい。

プログラム:

13:20-14:00 基調講演「生命知識科学:生命知識に基づくOMICSの解明」
小長谷明彦(理化学研究所ゲノム科学総合研究センター)

14:00-14:40 「免疫情報学の立ち上げについて 」
Christian Schonbach(理化学研究所ゲノム科学総合研究センター)

14:40-14:50 休憩

14:50-15:30 「ベイジアンネットによるデータマイニングと確率推論 --その基礎と事例紹介--」
本村陽一(産業技術総合研究所)

15:30-16:10 「免疫・アレルギー科学総合研究センターの紹介」
小原 收(かずさDNA研究所、理化学研究所)

16:10-16:20 休憩

16:20-17:10 Pathway/Network他関連の企業発表
株式会社医薬分子設計研究所
東和科学株式会社
NTTコムウェア株式会社
三井情報開発株式会社
インフォコム株式会社

17:10-17:30 医療情報学会と共催の講演会について 

講演会参加費
講演会参加費は8月19日、20日の2日間通して(1日のみの参加でも参加費は同じです)
法人賛助会員: 無料 
個人会員(非営利):無料 個人会員(一般企業):\5,000 
ビジター(非営利):\1,000 ビジター(一般企業):\10,000 
参加を希望される方は事前に必ず事務局セミナー受付seminar@cbi.or.jpに連絡してください。

連絡先:CBI学会事務局 セミナー受付
〒158-0097東京都世田谷区用賀4-3-16イイダビル301
TEL:03-5491-5423  FAX:03-5491-5462  
E-mail:seminar@cbi.or.jp