開催趣旨:医薬分子を含む機能性分子の創製に先立ち、合成すべき分子の特性 を理論化学的に予測しながら、分子設計を行うことは、今や常識と 言っても過言ではありません。さらに、実際に分子を合成する条件 を決定するために、合理的な反応設計を行うことも限定的に試みら れつつあります。分子設計や反応設計を行う過程では、分子の静的 あるいは動的な物理化学的性質を理論的に予測する必要があります。 その際、分子内の電子の挙動を直接的に計算することのできる分子 軌道法は非常に有用であり、このような計算には不可欠の方法と言 えます。特に半経験的分子軌道法は実験値との擦り合わせを行うの に必要な十分の精度を有しているだけではなく、最近のコンピュー タでは非常に手軽に実行できるという大きな利点を持っています。 コンピュータの進歩により、より精度を高めた非経験的な分子軌道 法の実用化に伴い、ともすれば半経験的分子軌道法の価値が低く見 られる傾向がありますが、その実用価値は現在でも非常に高いと言 えます。今回の研究講演会では、半経験的分子軌道法のプログラム として最も広く使用されているMOPACを中心に、最近の半経験的 分子軌道法の進歩とその活用の仕方、更には実例について、各分野 で活躍されている研究者に御講演をお願いすると共に、この方法 についての今後の問題について議論をする機会を持ちたいと思いま す。MOPACを頻繁に使われている方だけでなく、これから使ってみ ようと思っている方、また分子設計の際に分子力場計算だけでは物 足りなさを感じている方、そして分子軌道法自身に興味を持たれて いる多くの方々のご来聴を歓迎致します。
日時:2008年10月6日(月)13:00−17:20
場所:日本化学会 化学会館7Fホール
東京都千代田区神田駿河台1-5(JRお茶の水駅下車、徒歩4分)世話人:平山令明(東海大学・医学部)
プログラム
1.13:00-13:10
はじめに
平山令明 (東海大学・医学部)2.13:10-13:50
「材料設計における分子軌道法の応用」
山本博志 (旭硝子株式会社)3.13:50-14:30
「分子計算支援システムの紹介−MOPACをより使いやすくするために−」
千田範夫 (テンキューブ研究所)4.14:30-15:30
「In silico合成経路開発 医薬分子の創製に向けて」
堀 憲次 (山口大学大学院理工学研究科)休憩15:30-15:50
5.15:50-17:00
"Current Status of the semiempirical program MOPAC2007"
James Stewart (Stewart Computational Chemistry)6.17:00-17:20
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総合討論講演会参加費:
法人賛助会員: 無料
個人会員(非営利):無料 個人会員(一般企業):\5,000
ビジター(非営利):\1,000 ビジター(一般企業):\10,000
出席を希望される方は事前に必ずメールにて、(E-mail:seminar@cbi.or.jp事務局に連絡してください。)連絡先:CBI学会事務局 セミナー受付
〒158-0097東京都世田谷区用賀4-3-16イイダビル301
TEL:03-5491-5423 FAX:03-5491-5462