開催趣旨:主に質量分析法とNMRを用いて行われるメタボローム解析は、薬物投与による毒性の予測や、バイオマーカー探索の有力な手段として、国内外を問わず製薬企業において実施されている。この研究手法の応用分野の裾野は、私たちの思惑や期待を越え、燎原の火のごとく急速に拡大している。一例として、環境中の化学物質や食品分析における代謝プロファイリングを挙げることができる。こうした手法は、製薬業界から見れば、創薬研究において、候補化合物あるいはテーマを中止するか、あるいは高次研究段階へ移行させるための判断を迅速に下すことや、毒性メカニズムの直接的な原因解明に繋がっている。また、医学の分野では新しい「診断」法の基礎となる技術として注目されている。
講師の方々のお仕事からすれば、あるいは不適当かもしれないが、今回の講演会のテーマには、「実証研究」という言葉を敢えて入れさせていただいた。それはこの技法が創薬に実際にどれだけ役立っているかを検証したいと考えているからである。関心を同じくする、産学官の多くの研究者、関係者の参加を期待したい。
なお、メタボロームと他のOMICSとの融合、およびデータマイニングやシステム生物学なども、CBI学会としては、最重要視している領域であるが、時間の都合で今回は割愛せざるを得なかった。いずれ何らかの形でこれらの話題も取り上げたい。
最後に、今回の研究集会 は、慶應義塾大学研究推進センターの協力をえて、慶應義塾大学薬学部(芝共立キャンパス)において共同で開催する事となった。ご存知かと思われるが、同薬学部は、昨年の4月に、慶応大学と共立薬科大学が合併して生まれた学部である。この講演会は、この新しく誕生した薬学部を訪ねるよい機会であるとも思う。
日時:2009年5月13日(水)13:15-17:50
場所:慶應義塾大学薬学部(芝共立キャンパス)1号館B1マルチメディア講堂
東京都港区芝公園1-5-30 http://www.keio.ac.jp/ja/access/shiba.html
(地下鉄三田線御成門駅から2分、地下鉄浅草線大門駅から6分、JR浜松町駅から10分)世話人:堀内 正(慶應義塾大学研究推進センター)、藤原 巌(大日本住友製薬株式会社)
共催:慶應義塾大学研究推進センタープログラム
1.13:15-13:20
慶應義塾大学薬学部長 笠原忠先生のご挨拶2.13:20-14:10
「メタボロミクスが解き明かす生命のシステム」
曽我 朋義(慶應義塾大学先端生命科学研究所)3.14:10-15:00
「メタボローム解析を用いたケミカルバイオロジー」
井本 正哉(慶應義塾大学理工学部)4.15:00-15:50
「メタボロームで鶴岡に奇跡を」
菅野 隆二(ヒューマン・メタボローム・ テクノロジーズ株式会社)
休憩 15:50-16:105.16:10-17:00
「メタボタイピングの技術開発」
菊地 淳(理化学研究所)6.17:00-17:50
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「NMRメタボロミクスの臨床応用−代謝異常の診断、透析治療の管理など」
藤原 正子(東北大学薬学部)講演会参加費:
法人賛助会員: 無料
個人会員(非営利):無料 個人会員(一般企業):\5,000
ビジター(非営利):\1,000 ビジター(一般企業):\10,000
*慶應義塾大学教員および学生は無料です。
出席を希望される方は事前に必ずメールにて、(E-mail:)事務局に連絡してください。連絡先:CBI学会事務局 セミナー受付
〒158-0097東京都世田谷区用賀4-3-16イイダビル301
TEL:03-5491-5423 FAX:03-5491-5462