開催趣旨:低分子X線結晶解析で得られる分子構造は、分子力場や分子動力学で使われるポテンシャル関数を作成する上で必須の基礎データであり、in silico分子工学やin silico分子科学を遂行する上で極めて重要な情報です。また結晶構造は分子内および分子間の構造化学的情報を精密に求める上で、非常に有用な「場」であり、この「場」を活用した低分子X線結晶解析は分子科学の発展に不可欠の手段の一つです。この「場」は、分子設計で扱う実際の「場」と理論計算の「場」の間に横たわるギャップをつなぐことができる「場」でもあります。100年余り前に、ブラッグらによって方法論の基礎が確立して以来、X線解析によって膨大な分子構造情報が得られて来ました。分子の概念は、X線解析によって確認され、そして大きく発展して来たと言っても過言ではありません。今や、さまざまな分野でin silico分子工学の応用が試みられており、これまで以上に分子を精密設計することがin silico分子工学に期待されています。そうした中で、in silico分子工学をしっかり支える低分子X線結晶解析の重要性はますます高くなっているとも言えます。今回の研究講演会では、低分子X線結晶解析法の最近の進歩、結晶場を活用した光学活性分子の分子認識機構の解明、そして精密に分子内電子分布を求めるためのX線原子軌道法に関して、各分野の第一線でご活躍の先生方に御講演をお願いすることになりました。医薬分子から有機機能材料まで幅広い範囲のin silico分子設計に興味のある方々そしてX線解析で明らかにされる分子の世界の魅力に関心のある方々のご来聴を歓迎致します。
日時:2009年7月23日(木)13:30−17:30
場所:東京大学山上会館大会議室
東京都文京区本郷 7-3-1世話人:平山令明(東海大学)
プログラム
1.13:30-13:40
はじめに
平山令明(東海大・医学部)2.13:40-14:40
「最近の低分子X線構造解析法の進歩 ハードウェア及びソフトウェア」
与座健治(ブルカー・エイエックスエス株式会社)3.14:40-15:40
「キラル分子間の分子認識 優先富化現象の分子メカニズム」
田村 類(京都大学大学院 人間・環境学研究科)15:40-16:00 休憩
4. 16:00-17:00
「X線原子軌道解析−原子軌道の個性−」
田中清明(名古屋工業大学大学院 物質工学専攻)5. 17:00-17:30
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総合討論講演会参加費:
法人賛助会員: 無料
個人会員(非営利):無料 個人会員(一般企業):\5,000
ビジター(非営利):\1,000 ビジター(一般企業):\10,000
出席を希望される方は事前に必ずメールにて、(E-mail:)事務局に連絡してください。連絡先:CBI学会事務局 セミナー受付
〒158-0097東京都世田谷区用賀4-3-16イイダビル301
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