開催趣旨:近年、薬物間相互作用のメカニズムの多様化が進んでおり、代謝酵素の競合的な阻害のみならず、mechanism-based inhibitionや、取り込み・排出トランスポーターを介した相互作用の臨床報告も年々数を増している。それに伴い、それぞれのケースにおいて、いかに創薬の初期段階で薬物間相互作用のリスクを適正に評価し、回避できるかは、重要な課題となっている。そのような中、2012年2月に米国FDAより、薬物間相互作用の評価に関するドラフトガイダンスが公表され、特に、新薬が臨床において基質・阻害薬の両方になるケースについて、臨床薬物間相互作用試験の必要性を判断するためのdecision treeが数多く明確に示されたことが、大きな反響を呼んでいる。これらの妥当性については、今後数多くの事例解析と共に、適否を評価していく必要があると考えている。そこで、今回は、FDAのドラフトガイダンスの発表を契機として、代謝酵素・トランスポーターを介した薬物間相互作用の適正な評価法やリスク評価のための新技術に関する情報と併せて、製薬会社において、現在行われている取り組みを紹介してもらうことで、薬物間相互作用に関する最新の知見を聴衆の皆様と共有して議論したいと考えている。
日時: 2012年12月14日(金)10:30-17:35 場所: 東京大学弥生講堂一条ホール(東京都文京区弥生1-1-1 東京大学農学部内)
http://www.a.u-tokyo.ac.jp/yayoi/map.html世話人: 杉山雄一(理化学研究所) 、前田和哉(東京大学大学院薬学系研究科)
プログラム
1.10:30-10:45
概論
杉山雄一(理化学研究所)2.10:45-11:15
「消化管および肝臓での代謝における薬物間相互作用の予測」
伊藤清美(武蔵野大学薬学部)3.11:15-11:45
「static modelに基づくトランスポーターを介した肝臓での薬物間相互作用の予測」
前田和哉(東京大学大学院薬学系研究科)4.11:45-12:15
「In vivoの情報に基づく薬物間相互作用薬の分類(PISCS)」
樋坂章博(東京大学医学部附属病院 薬理動態学)<休憩>
5.13:30-14:00
「腎臓での薬物間相互作用の予測」
楠原洋之(東京大学大学院薬学系研究科)6.14:00-14:30
「PETイメージングによる薬物間相互作用の評価」
高島忠之(理化学研究所 分子イメージング科学研究センター)7.14:30-15:10
「Dynamic model (PBPK model)を用いた薬物間相互作用の定量的予測」
杉山雄一(理化学研究所)<休憩>
8.15:30-15:55
「創薬初期におけるトランスポーター薬物間相互作用について」
野沢 敬(アステラス製薬株式会社)9.15:55-16:20
「消化管におけるP-gpを介した薬物間相互作用予測の試み」
三日市 剛(第一三共株式会社)10.16:20-16:45
「低分子薬物と高分子薬物の薬物間相互作用について」
寺尾公男(中外製薬株式会社)11.16:45-17:35
総合討論
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