開催趣旨:
近年、計算機の性能は目覚しく向上しており、分子動力学計算はますますその重要性を増してきております。創薬の現場においても、結合自由エネルギー計算など日常的に用いられる時代が到来しています。しかしながら多くの生命現象は、その適用範囲を超える時間スケールで進行するものであります。例えば、折れ畳みを含むタンパク質の大きな構造変化、凝集などタンパク質同士の相互作用、あるいは膜タンパク質の作用場としての脂質膜の動的構造を、原子スケールのシミュレーションによって十分な統計量をもって理解する事は未だ困難であると考えられます。そう言った状況の中、数原子~数十原子を一つの粒子として近似する粗視化(Coarse-grainedなど)シミュレーションが開発されています。粗視化シミュレーションを用いれば非常に長い時間のシミュレーションが可能になりますが、創薬研究へ応用できる精度が担保できるかどうかが課題となります。本研究講演会では生体系に粗視化シミュレーションを応用されている先生方をお迎えし、現状について概説して頂くと共に、創薬への応用とその可能性について議論したいと考えております。
日時: 2015年2月24日(火)13:20-18:00 場所: 東京大学山上会館2階 大会議室(東京都文京区本郷7-3-1) 世話人: 高岡雄司(ダッソー・システムズ・バイオビア株式会社)、石川誠(日産化学工業株式会社)、砂田真志(田辺三菱製薬株式会社)
プログラム
- 13:20 - 13:30 開会挨拶
- 13:30 - 14:30
「生体分子粗視化シミュレーションの最前線:現状と課題」
高田 彰二(京都大学)
- 14:30 - 15:30
「蛋白質機能発現の動的エネルギーランドスケープ理論」
笹井 理生(名古屋大学)
※参考論文:Nie Q-M, Togashi A, Sasaki TN, Takano M, Sasai M, Terada TP., PLoS Comput Biol. 2014 Apr;10(4)
<15:30 - 15:50 休憩>
- 15:50 - 16:50
「膜の粗視化分子シミュレーション」
篠田 渉(名古屋大学)
- 16:50 - 17:50
「粗視化分子動力学シミュレーションで探るタンパク質・リガンド結合過程」
寺田 透(東京大学)
※参考論文:Negami, T., Shimizu, K., Terada, T. J. Comput. Chem. 35, 1835–1845 (2014).
- 17:50 - 18:00 まとめ
講演会参加費参加申込み
(種別) (料金) 法人会員 無料 一般 個人会員 無料 非会員(一般) \10,000 学生 学生会員 無料 非会員(学生) \1,000 終了いたしましたお問い合わせ◆情報計算化学生物学会(CBI学会)事務局
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