開催趣旨:
創薬ターゲットの枯渇、大規模臨床試験の必要性等の影響もあり、新薬の開発は厳しい局面を迎えている。
ドラッグ・リポジショニング(DR)は、既存薬、もしくは開発中止に至った薬剤の新しい作用や適応症を見出すことであり、ゾミサミドやバイアグラが成功例として挙げられる。既存薬の場合、ヒトでの安全性・動態が確認されており、開発期間の短縮、コスト削減等のメリットがある。しかしながら、特許戦略、後発品による適応外使用等を鑑みると企業研究としては、ややマイナーな印象である。
一方、アカデミアにおいては、<アスピリンでポリープ抑制><スタチンが軟骨無形症の病態を回復>等多くの研究成果が論文発表されている。また、医療分野研究開発推進計画や先駆けパッケージ戦略等の研究課題にDRが明記されており、行政も創薬支援事業として期待していることが伺える。
本講演会では、DRの最前線で活躍されているアカデミアの先生方をお迎えし、概説いただくとともに、現状・将来像について議論したい。また、山際先生にはアベノミクスの医療・医薬品産業関連の事業について、最前線で活躍している研究者に向けてお話いただくようお願いした。
懇親会会場ではプロジェクターを用意し、歓談しながらDR研究支援ツールとしてPROUS INSTITUTE SYMMETRYに触れる機会を設けた。懇親会にも是非ご参加いただきたい。
日時: |
2015年5月28日(木)13:15-17:45 |
場所: |
東京大学山上会館2階 大会議室(東京都文京区本郷7-3-1) |
世話人: |
中嶋久士(興和株式会社)、嶋根みゆき(中外製薬株式会社)、谷村直樹(みずほ情報総研株式会社)、佐藤貴哉(株式会社カモソフトウェアジャパン) |
プログラム (事情により変更となる場合がございます。予めご了承ください。)
- 13:15 - 13:20 開催趣旨
- 13:20 - 14:10
「ドラッグリポジショニングとスマートヘルスケア」
水島 徹(慶應大学薬学部)
- 14:10 - 15:00
「分子プロファイリングから展開する創薬加速」
夏目 徹(産業技術総合研究所)
<15:00 - 15:20 休憩>
- 15:20 - 15:50
"On- and off-target assessment in the development of drug repositioning strategies"
Josep Prous, Jr.(Prous Institute )
- 15:50 - 16:40
「大腸がん予防実用化のためのドラッグ・リポジショニング」
武藤 倫弘(国立がん研究センター研究所)
- 16:40 - 17:30
「アベノミクス成長戦略における医薬品産業」
山際 大志郎(経済産業副大臣)
- 17:30 - 17:45 総合討論
- 18:00 - 20:00 懇親会 (場所:1階 談話ホール 参加費:\3,000)