開催趣旨:創薬がますます困難になっていく中で、国にとっても製薬企業にとっても、熾烈な国際競争に打ち勝って革新的医薬品を生み出すためには、少しでも創薬の成功確率を上げ、かつ低コスト&短期間で研究開発を成し遂げることが最重要課題となっております。今この課題の解決策の一つとして期待されているのが、コンピュータを活用した創薬いわゆるIT創薬です。IT創薬自体は以前から創薬研究の一部として活用されておりますが、コンピュータの性能向上とともに徐々にその適用範囲が拡大されている一方で、高速・高精度な解析のためにはさらなる計算資源を必要とする状況にあります。
2012年に運用を開始したスーパーコンピュータ「京」を利用した産学官連携の取り組みでは、現在までに化合物と標的タンパク質間の相互作用を高速かつ高精度に解析する手法が開発されてきました。今後、単なる相互作用情報だけでなく動的な標的タンパク質制御のシミュレーション、更には副作用情報なども付加することでより医薬品を指向した高精度なドラッグデザインが可能になると期待されます。その実現に向けて大きく期待されているのが、2020年稼働を目指すポスト「京」であります。
以上の背景を踏まえ、今回“「京」からポスト「京」へ-革新的創薬基盤の構築に向けた取り組み”と題する講演会を企画しました。ポスト「京」の開発に携わっておられる先生方に研究の進捗状況と計画について講演頂くとともに、企業の先生からは、企業における「京」の成果とポスト「京」への期待について講演して頂きます。日々、IT創薬に取り組まれている研究者の皆さんをはじめとして、創薬研究に携わる多くの方々のご参加をお願いいたします。
日時: 2016年1月13日(水)13:00-16:50 場所: 東京大学山上会館2階 大会議室(東京都文京区本郷7-3-1) 世話人: 大元 和之(小野薬品工業)、石川 誠(日産化学工業)、
谷村直樹(みずほ情報総研株式会社)
プログラム
17:00 - 19:00 懇親会 (場所:1階 談話ホール 参加費:\3,000)
- 13:00 - 13:05 はじめに
- 13:05 - 13:40
「ポスト「京」が拓く創薬計算の未来」
奥野 恭史(理化学研究所/京都大学大学院)
- 13:40 - 14:15
「ポスト「京」におけるMD高度化と次世代創薬技術の開発」
池口 満徳(横浜市立大学)
- 14:15 - 14:50
「分子動力学法ソフトウエア、GENESISの概要」
小林 千草(理化学研究所)
<14:50 - 15:00 休憩>
- 15:00 - 15:35
「バクテリア細胞質中の生体分子ダイナミクスと相互作用:大規模分子動力学計算による微視的理解」
優 乙石(理化学研究所)
- 15:35 - 16:10
「並列カスケード選択MDによる効率的立体構造サンプリングと長時間ダイナミクス」
北尾 彰朗(東京大学)
- 16:10 - 16:45
「「京」・ポスト「京」を利用した革新的創薬基盤への期待」
嶋田 朋嘉(帝人ファーマ株式会社)
- 16:45 - 16:50 おわりに
講演会参加費お申込み
(種別) (料金) 法人会員 無料 一般 個人会員 無料 非会員(一般) \10,000 学生 学生会員 無料 非会員(学生) \1,000 お問い合わせ
終了いたしました。 ◆情報計算化学生物学会(CBI学会)事務局
TEL:045-924-5654 FAX:045-924-5684