開催趣旨:
核酸医薬は、核酸(オリゴヌクレオチド)を疾患の原因となるDNAやRNA、あるいはタンパク質に直接作用させることで病態を改善、ないし治癒させることを目的としています。低分子創薬における創薬標的の枯渇、また複数のブロックバスターが登場し特異性や切れ味の点で評価の高い抗体医薬の大量生産の問題や原価率の高さという双方の課題を将来的に解決できる可能性を秘めているものとして、核酸医薬は非常に注目されています。現在、全世界で上市・承認された医薬品が5品目ながら、複数の企業が産学連携等を踏まえて実用化を検討中であり、近い将来に爆発的な市場規模拡大が予想されるなど、創薬への潜在的な期待度が高まっているのが現状です。
本講演会ではこうした状況を踏まえ、核酸医薬を創薬の観点から取り上げてその最新の状況を第一線でご活躍の4名の先生方にご紹介頂くと共に、今後の創薬に対してどのようなインパクトがあるかを議論したいと考えております。
創薬を取り巻く状況が厳しくなる中、低分子や抗体に続く第三世代の医薬品として有望視される核酸医薬に関する研究の最前線に触れる機会として、計算化学者のみならず創薬に携わる多くの方々のご参加に期待します。
日時: |
2017年5月25日(木)13:15-17:40 |
場所: |
東京工業大学キャンパスイノベーションセンター(CIC田町)
1階 国際会議室(東京都港区芝浦3-3-6) |
世話人: |
高土居雅法(杏林製薬株式会社)、嶋根みゆき(中外製薬株式会社)、
片倉晋一(第一三共RDノバーレ株式会社) |
プログラム ※5/1 プログラムの順番に変更がありました(宮田先生と小泉先生のご講演が入れ替わりました)。
- 13:15 - 13:20 はじめに
- 13:20 - 14:20
「核酸医薬の臨床応用」
黒田 雅彦(東京医科大学)
- 14:20 - 15:20
「化学修飾による立体障害を利用したヒト全遺伝子に対する1遺伝子特異的ノックダウン」
程 久美子(東京大学)
<15:20 - 15:35 休憩>
- 15:35 - 16:35
「ENAオリゴヌクレチドを用いた核酸医薬研究」
小泉 誠(第一三共株式会社)
- 16:35 - 17:35
「高分子材料を基盤とする核酸医薬デリバリー」
宮田 完二郎(東京大学)
17:35 - 総括
18:00 - 20:00 懇親会 (場所:CIC近くの飲食店、参加費:\4,500)
申し込み方法:講演会の参加申込と同様です。