2010年代初頭のスーパーコンピュータ京の稼働と共に、それまでドッキングなどの静的な分子計算が主流であったインシリコ創薬は、MDシミュレーションをベースとした薬物‐標的間の親和性計算を中心としたものへと大きな変貌を遂げた。一方、近年のGPGPU性能の向上、並列処理技術の進歩、さらには2020年の稼働に向けて開発が進められているエクサコンピュータは、薬物‐標的間の親和性計算を新たなステージへ引き上げることを大いに期待させる。本会では、現在主流の古典MDの将来展望と、古典MDの限界をカバーし得るであろう量子MDの現状について、各分野の第一人者の先生方にご登壇頂き、2020年代のインシリコ創薬の在り方を考察する機会としたい。
日時: |
2017年9月1日(金)13:00-17:50 |
場所: |
グランフロント大阪 ナレッジキャピタル(大阪市北区大深町3-1)
北館タワーC 9階 VisLab OSAKA |
世話人: |
木下誉富(大阪府立大学)、山崎一人(大日本住友製薬株式会社)、田中成典(神戸大学)
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プログラム
- 13:00 - 13:20
「はじめに:構造を基盤とした創薬の課題と計算化学への期待」
木下誉富(大阪府立大学)
- 13:20 - 14:10
「QM/MM-MDのベンチマークと酵素反応の各種シミュレーション」
阿部 幸浩(HPCシステムズ株式会社)
- 14:10 - 15:00
「FMO-QM/MM分子動力学計算と量子化学による創薬研究」
石川 岳志(長崎大学)
<15:00 - 15:20 休憩>
- 15:20 - 16:10
「密度汎関数強束縛に基づいたフラグメント分子軌道法の開発とのその応用」
Dmitri Fedorov(産業技術総合研究所)
- 16:10 - 17:00
「大規模量子MDとデータ科学による有機デバイス材料研究」
星 健夫(鳥取大学)
- 17:00 - 17:50 総合討論
18:00 - 20:00 懇親会 (場所:都市活研セミナールーム 参加費:\2,000)
申し込み方法:講演会の参加申込と同様です。