***第399回CBI学会講演会のお知らせ***

「RNAを標的とした低分子創薬研究」


開催趣旨:
 RNA分子に対する低分子創薬研究の歴史は長く、例えば、いくつかの抗生物質の作用機序はバクテリアrRNAを標的としたタンパク質合成阻害であることが知られていた。しかし、従来の低分子薬の標的分子の大部分はタンパク質であり、RNAは妥当な創薬標的分子とは考えられていなかった。この原因として、(i) RNA分子はセントラルドグマにおける重要な情報伝達分子であるがゆえ、その機能が必須かつシンプルであり、創薬標的に求められる多様性に欠けている、(ii) RNA分子は安定した三次元構造を形成しにくいため、低分子化合物が結合しうるdruggable siteを持たない、と見なされていたことが挙げられる。一方で近年、ncRNAなどRNAの多様な機能が明らかになり、疾患関連性の高い分子が見いだされている。更には、riboswitchの立体構造解析や、phenotypic screening ヒット化合物の機序解析などから、低分子化合物がRNAの機能を制御している実例が数多く報告されている。このようなbiological/chemicalの両面におけるRNA研究の新しい知見を受け、RNAを低分子創薬の標的として見直す動きが活発になりつつある。 本講演会では、新しい創薬標的分子としてのRNA分子に着目し、様々な切り口からRNA創薬研究の現状と今後の方向性を議論したい。
  
日時 2018年11月14日(水)13:30-17:40
場所 東京工業大学キャンパスイノベーションセンター(CIC田町)
1階 国際会議室(東京都港区芝浦3-3-6)
http://www.titech.ac.jp/maps/tamachi/index.html
世話人 前野 恭一(アステラス製薬株式会社)、近田 千春(オープンアイジャパン株式会社)、高土居 雅法(杏林製薬株式会社)

プログラム

  1. 13:30 - 13:35
    「はじめに」

  2. 13:35 - 14:20
    「pre-mRNAスプライシングを低分子化合物で操作して遺伝病を治そう!」
    萩原 正敏(京都大学大学院医学研究科)
    【参考資料】
      (1) Nishida A et al. (2011) Chemical treatment enhances skipping of a mutated exon in the dystrophin gene. Nature Communications 2, 308.
      (2) Yoshida M et al. (2015) Rectifier of aberrant mRNA splicing recovers tRNA modification in familial dysautonomia. Proc Natl Acad Sci USA. doi/10.1073

  3. 14:20 - 15:05
    「哺乳類細胞における小分子応答性人工リボスイッチの開発」
    横林 洋平(沖縄科学技術大学院大学)

  4. <15:05 - 15:20 休憩>

  5. 15:20 - 16:05
    「RNAを標的とした低分子創成の実際」
    中谷 和彦(大阪大学産業科学研究所)

  6. 16:05 - 16:50
    「RNA部分構造の抽出およびNMR法による低分子化合物との相互作用解析」
    河合 剛太(千葉工業大学)

  7. 16:50 - 17:35
    「シンプルなmRNA部分構造に対する中低分子創薬の理論と実際」
    中村 慎吾(株式会社Veritas In Silico)

  8. 17:35 - 17:40
    「おわりに」

18:00 - 20:00 懇親会 (場所:CIC近くの飲食店 参加費:\5,000)


講演会参加費
(種別) (料金)
法人会員 無料
一般 個人会員 無料
非会員(一般) \10,000
学生 学生会員 無料
非会員(学生) \1,000

キャンセルの場合、2018年11月7日までにご連絡いただければ手数料を差し引いて返金します。
それ以降は講演会参加費、懇親会参加費、いずれもキャンセル返金はできません。
締切日(開催日一週間前)にコンビニ決済を選択すると5日間の支払猶予期間があるため、最長開催2日前まで支払いを延期できます。
ただし、支払いが完了しないと正式な参加申し込みとはならないため定員オーバーで参加できない可能性があることをご容赦願います。
参加申込み
終了しました
お問い合わせ
◆情報計算化学生物学会(CBI学会)事務局
  
   TEL:03-6890-1087