開催趣旨:
薬物の体内動態・薬効・毒性を経時的な視点から予見する方法論として数理モデル解析は必要不可欠である。このようなモデル解析を成功させるための鍵は、モデルパラメータの精緻な設定であることは言うまでもない。一方で、体内動態を記述する数理モデルであっても、複数の代謝酵素・トランスポーター機能を反映させようとすると複雑なモデル構成を迫られるし、ましてや薬効・毒性をも定量的に説明するいわゆるQSP (Quantitative Systems Pharmacology)を実現化するモデルになると、全てのパラメータを精緻に決定することは不可能である。モデルパラメータを決定する方法としては、モデルのアウトカムに合致するようにfittingによりパラメータを決定するTop-down approachと、個々の素過程のパラメータをin vitro実験などからパーツごとに決定し、それらを統合化することでモデルを構築するBottom-up approachがあるが、どちらも長所・短所があることから、信頼性の高いモデル構築のためには、両方のアプローチを適材適所に活用する必要がある。
本講演会では、様々なアプローチを通じて、薬物の体内動態・薬効・毒性を予測するための数理モデル解析に従事している第一線の産学の研究者にお集まりいただき、信頼性の高い数理モデル解析のために必要な戦略や基盤技術をご紹介いただくと共に、モデル解析を活用することによってしかなしえなかった知見を共有することにより、数理モデル解析の将来展望について議論を深めたいと考えている。
日時: 2019年12月18日(水)10:30‐17:30 場所: 東京大学 山上会館 大会議室(東京都文京区本郷7-3-1) 世話人: 杉山 雄一(国立研究開発法人理化学研究所バトンゾーン研究推進プログラム 特別招聘研究員)、前田 和哉(東京大学大学院薬学系研究科)
プログラム
- 10:30~10:40
「はじめに」
前田 和哉(東京大学大学院薬学系研究科)
- 10:40~11:45
「薬物間相互作用予測におけるトップダウン、ボトムアップアプローチの統合の必要性」
杉山 雄一(国立研究開発法人理化学研究所バトンゾーン研究推進プログラム 特別招聘研究員)- 11:45~12:30
「OATP1B1の時間依存的阻害は薬物間相互作用にどう影響するのか? ~CsAとPitavastatinの相互阻害を例に考える~」
和泉 沙希(エーザイ株式会社)
<12:30~13:30 昼食休憩>- 13:30~14:15
「スタチンの薬効及び安全性:用量及び曝露-反応関係に基づく薬剤横断的な評価」
岩城 雪(ヤンセンファーマ株式会社)
- 14:15~15:00
「薬物体内動態解析理論の新展開」
樋坂 章博(千葉大学大学院薬学研究院)
<15:00~15:20 休憩>- 15:20~16:05
「パラメータ値を一意に決定せずにシミュレーションを行う手法の開発」
本間 雅(東京大学医学部附属病院薬剤部)
- 16:05~16:50
「トランスオミクス:細胞の反応速度論的描像に基づく統合オミクス解析」
柚木 克之(理化学研究所生命医科学研究センター)
- 16:50~17:30
総合討論
懇親会 (場所:東京大学薬学部図書館1階ロビー 参加費:\3,000)
講演会参加費参加申込み
(種別) (料金) 法人会員 無料 一般 個人会員 無料 非会員(一般) \10,000 学生 学生会員 無料 非会員(学生) \1,000 キャンセルの場合、12月11日までにご連絡いただければ手数料を差し引いて返金します。
それ以降は講演会参加費、懇親会参加費、いずれもキャンセル返金はできません。
締切日(開催日一週間前)にコンビニ決済を選択すると5日間の支払猶予期間があるため、最長開催2日前まで支払いを延期できます。
ただし、支払いが完了しないと正式な参加申し込みとはならないため定員オーバーで参加できない可能性があることをご容赦願います。終了しましたお問い合わせ◆情報計算化学生物学会(CBI学会)事務局
TEL:03-6435-0458