開催趣旨:
現在の創薬研究においては,標的蛋白質の立体構造及び相互作用を理解し,論理的に研究を進める,いわゆるStructure-Based Drug Discoveryがグローバル・スタンダードとなっている。X線結晶構造解析が最も高精度の立体構造を与える。しかしながら,通常のX線解析では点電荷のみを解析し,結合電子の状態を考慮に入れることができていない。X線解析の分解能を究極まで高くすると結合電子を観測することができる。近年FMOなど分子軌道計算が実用化されており,電子状態を含んだ超高精度解析の意味合いが強くなる。ところが,X線解析は結晶場の構造ゆえに動的な情報を取り出すことが難しい。この動的挙動を明らかにするために,種々の方法が併用されている。高速原子間力顕微鏡(高速AFM)、X線小角散乱(Bio-SAXS)を用いれば分子の動きを観察することができる。一方,以上のように直接観測するにはコスト面及び実験的制約があるため,AIを利用した計算化学の手法による高精度な構造予測,動的解析,相互作用解析に期待がもたれる。本講演では,実験系の話題として超高分解能X線構造解析,高速AFM,Bio-SAXSについて,また,AIを利用した取組としてLINCの成果について,講師の先生方をお招きして御講演いただきます。
日時: 2021年1月22日(金)13:00-17:30 場所: オンライン配信(Zoomウェビナー使用) 世話人: 木下誉富(大阪府立大学),植松直也(大塚製薬),志水隆一(都市活力研究所) 主催: CBI学会関西部会 共催: NPO法人バイオグリッドセンター関西
プログラム
- 13:00-13:05
世話人挨拶
- 13:05-13:50
「超高分解能X線構造解析、結合電子密度が見えた」
平野 優(量子科学技術研究開発機構)
- 13:50-14:35
「高速AFMで観える細胞増殖因子・受容体の動的活性化と創薬」
松本 邦夫(金沢大学がん進展制御研究所)
- 14:35-15:20
「結晶構造だけではわからない。X線溶液散乱が明らかにするタンパク質の構造変化と機能の関係」
松本 崇((株)リガク)
<15:20-15:40 休憩>
- 15:40-16:00
「LINC-1/ AIによる分子動力学計算における特徴量変化の自動抽出」
坂牧 隆司(X-ability)
- 16:00-16:20
「LINC-2/ 3D-CNNを用いた実験データからの構造評価AIの開発」
宮口 郁子(田辺三菱製薬株式会社)
- 16:20-16:40
「LINC-3/ AIを使ったドッキング計算」
谷村 直樹(みずほ情報総研株式会社)
- 16:40-17:30
パネルディスカッション(実験と計算の融合から見えてくるもの)司会:木下誉富
講演会参加費
(種別) (料金) 法人会員 無料 一般 個人会員 無料 非会員(一般) \10,000 学生 学生会員 無料 非会員(学生) \1,000
キャンセルの場合、1月15日までにご連絡いただければ手数料を差し引いて返金します。
それ以降は講演会参加費、懇親会参加費、いずれもキャンセル返金はできません。
締切日(開催日一週間前)にコンビニ決済を選択すると5日間の支払猶予期間があるため、最長開催2日前まで支払いを延期できます。
ただし、支払いが完了しないと正式な参加申し込みとはならないため定員オーバーで参加できない可能性があることをご容赦願います。
参加費が無料の方も、キャンセルの場合はなるべく早く にご連絡ください。こちらでシステムから取り消します。参加申込み
終了しました。
◆情報計算化学生物学会(CBI学会)事務局 関西部会
TEL:078-803-6620