開催趣旨:
近年、医薬品のヒト体内動態予測における種々の技術開発が進むと共に、in vitro-in vivo extrapolation (IVIVE)による予測における注意点も明らかになりつつある。また、生理学的薬物速度論(PBPK)モデルの活用により、薬物の血中/組織中濃度の時間推移もシミュレーションできるようになっている。しかしながら、従来のIVIVEの考え方に従い、in vitro実験から得られた速度論パラメータに、単に生理学的なスケーリングファクターを乗じてin vivoパラメータにしただけでは、予測が合致しないという事象が報告されてきている。その原因は多岐にわたるが、in vitro実験系の測定値が実験条件の設定に依存して異なること、生理的な系を再現できるin vitro実験系の構築が容易でないことが挙げられる。そこで現時点では、ヒト臨床データを良好に説明しうるパラメータを探索するtop-down approachと、in vitro の測定値から臨床データを構築するbottom-up approachの両方を統合するmiddle-out approachが主流になりつつある。そこで本講演では、IVIVEを行う際のパラメータ推定をより生理的に近いモデルで精緻に行おうとする新規実験系の紹介に加えて、middle-out approachによる体内動態予測の実践例を紹介する。加えて、middle-out approachを行う際に、多数の未知パラメータを設定する必要があるが、従来法と全く異なる情報科学的アプローチで恣意性なく候補解を探索するCGNM (Cluster Gauss-Newton method)の最新の状況についてもお話しいただく。これらを通じて、薬物の体内動態予測の最前線に触れていただき、活発な議論をいただければ幸いである。
日時: 2021年8月4日(水)13:15-17:45 場所: オンライン配信(Zoomウェビナー使用) 世話人: 杉山 雄一(城西国際大学薬学部)、前田 和哉(北里大学薬学部)
プログラム
- 13:15~13:25
はじめに
杉山 雄一(城西国際大学薬学部)
- 13:25~14:05
「肝クリアランスの推定およびDDIを予測するためのMiddle-out approachの重要性」
杉山 雄一(城西国際大学薬学部)
- 14:05~14:50
特別講演
「Cluster Gauss-Newton Methodの拡張;in vitro パラメータを入力情報としたMiddle-out 解析への応用」
青木 康憲(Uppsala大学, Sweden)
- 14:50~15:25
「ヒトC型肝炎治療薬グラゾプレビルの非線形薬物動態解析~Middle-out解析の重要性~」
吉門 崇(横浜薬科大学薬学部)
~ <15:25 - 15:40休憩>
- 15:40 - 16:15
「DDIによるメトホルミン腎クリアランスの変化を Middle-out approachで予測する ~シメチジン、ピリメタミンを阻害剤として」
西山 浩太郎(日本ベーリンガーインゲルハイム株式会社薬物動態安全性研究部)
- 16:15 - 16:50
「ヒト消化管組織およびcrypt由来組織幹細胞の利用による消化管吸収予測」
前田 和哉(北里大学薬学部)
- 16:50 - 17:25
「低分子化合物により誘導した肝前駆細胞CLiPの薬物動態解析への応用」
野中 秀紀(ロート製薬株式会社)- 17:25 - 17:45
総合討論
講演会参加費参加申込み
(種別) (料金) 法人会員 無料 一般 個人会員A 無料 個人会員B \3,000 非会員(一般) \10,000 学生 学生会員 無料 非会員(学生) \1,000
キャンセルの場合、7月28日までにご連絡いただければ手数料を差し引いて返金します。
それ以降は講演会参加費のキャンセル返金はできません。
締切日(開催日一週間前)にコンビニ決済を選択すると5日間の支払猶予期間があるため、最長開催2日前まで支払いを延期できます。
ただし、支払いが完了しないと正式な参加申し込みとはならないため定員オーバーで参加できない可能性があることをご容赦願います。
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TEL:03-6435-0458