開催趣旨:
生理学的薬物速度論(PBPK)モデルやQuantitative systems pharmacology(QSP)モデルは、生理学的な構造や薬剤の作用メカニズムなどを基にして薬物動態や薬効を予測するための数理モデルである。これらのモデルは既知のメカニズムをできるだけ忠実にモデルを作るようにするため非常に複雑でモデルパラメータが多いモデルになる。このようなモデルパラメータを生体から得られたデータに基づいて推定しようとすると、唯一に定まらないケースがほとんどである。通常のモデル解析手法は最適パラメータが唯一にあることを前提として行うので、新規の解析手法開発が必要であった。パラメータがデータから唯一に定まらない前提のもと解析を行う方法論として、クラスターガウスニュートン法(CGNM)とTEAPSがある。CGNMとTEAPSは共に、2009年ごろ国立情報学研究所の速水研究室および東京工業大学の小長谷研究室が共同で開発した、クラスターニュートン法をさらに発展させた手法である。最近これらの手法が薬物動態領域やシステム薬理学・毒性学等の解析に活用された論文が発表され始めている。
本講演では、CGNM、TEAPS両手法の解説および開発の現状のおよび、解説実例を紹介する。解析実例に関しては、非線形薬物動態、薬物間相互作用、個人間変動、およびシグナル伝達経路や内因性物質の代謝経路解析をおこなった最先端の研究を各講師に紹介していただく。通常の解析手法の適用が難しい複雑なモデルの解析手法が確立されることにより、さらに多くの数理モデルの薬理学・毒性学への応用が期待される。ぜひこれらの実例等を参考に応用拡大および手法発展につながるような活発な議論をしていただければと思う。
日時: 2022年12月5日(月)10:30-17:30 場所: 日本教育会館707(東京都千代田区一ツ橋 2-6-2)
https://www.jec.or.jp/access.html世話人: 杉山 雄一(城西国際大学・イノベーションベース)、青木 康憲(Astrazeneca、Sweden, 城西国際大学) 連絡先: お問い合わせは、下記メールまたはTELにお願いいたします。
*会場への直接のご連絡はご遠慮ください。
TEL: 03-6434-0458 (情報計算化学生物学会(CBI学会)事務局)※重要: 本講演会は政府や各自治体、会場によるガイドラインに従いながら新型コロナウイルス感染予防対策を徹底しての開催となります。
プログラム
- 10:30-11:20
キーノートレクチャー
「クラスターガウスニュートン法(CGNM)を使ってパラメータ推定可能性および信頼区間を統計的に示すには」
青木 康憲(Astrazeneca、Sweden, 城西国際大学)
- 11:20-12:00
「クラスターガウスニュートン法(CGNM)の非線形薬物動態解析、相互作用解析への利用」
杉山 雄一(城西国際大学・イノベーションベース)
<昼休み 12:00-13:00>
- 13:00-13:40
「クラスターガウスニュートン法(CGNM)によるmiddle-out PBPKモデリング&シミュレーション法の提案:シメプレビルの非線形薬物動態解析を例に」
年本 広太(アステラス製薬株式会社)
- 13:40-14:20
「数理モデルを構築する際にパラメータ許容範囲を設定する手法(TEAPS)の開発」
本間 雅(東京大学医学部附属病院薬剤部)
- 14:20-15:00
「シグナル伝達経路あるいは物質代謝経路の挙動を記述するモデルに関して、パラメータ値を決定する際のTEAPS活用法の検討」
苅谷 嘉顕(東京大学医学部附属病院薬剤部)
<休憩 15:00-15:20>
- 15:20-16:00
「Target medidated drug disposition (TMDD)による非線形PKを示す薬物、5-alpha-reductase (5aR) 阻害剤の PBPK-PD モデル解析にクラスターガウスニュートン法(CGNM)を用いた例」
岩城 雪(ヤンセンファーマ株式会社)
- 16:00-16:40
「プロドラッグ型化合物Selexipagおよび活性代謝物の薬物動態、DDIの解析:酵素、トランスポーターのインタープレイをクラスターガウスニュートン法(CGNM)で解析する」
佐々木 佳寛(日本新薬株式会社)
- 16:40-17:30
総合討論
講演会参加費参加申込み
(種別) (料金) 法人会員 無料 一般 個人会員A 無料 個人会員B \3,000 非会員(一般) \10,000 学生 学生会員 無料 非会員(学生) \1,000
キャンセルの場合、11月28日までにご連絡いただければ手数料を差し引いて返金します。
それ以降は講演会参加費のキャンセル返金はできません。
締切日(開催日一週間前)にコンビニ決済を選択すると5日間の支払猶予期間があるため、最長開催2日前まで支払いを延期できます。
ただし、支払いが完了しないと正式な参加申し込みとはならないため定員オーバーで参加できない可能性があることをご容赦願います。
参加費が無料の方も、キャンセルの場合はなるべく早く にご連絡ください。こちらでシステムから取り消します。終了しました。
お問い合わせ
◆情報計算化学生物学会(CBI学会)事務局
TEL:03-6435-0458