***第458回CBI学会講演会のお知らせ***

「創薬の多様化に対応するタンパク質構造観察技術の進化」

Tweet
開催趣旨
生理学的研究の進歩とともに、生体分子は想像以上に複雑に制御され、さらに生体内での構造多型あるいは動的挙動が制御のカギを握ることが明らかとなってきました。これら生体作用の分子メカニズムを理解し、医薬品開発へと繋げていくためには、創薬標的分子の構造を高精度に見ること、理解することが肝要となります。 本講演会では、実験系構造解析、コンピューティング構造解析、動的構造解析分野の先生方をお招きして、最新技術と創薬応用への可能性などについて御講演いただきます。
 
日時 2024年8月19日(月)13:00~17:30
場所 オンライン配信(Zoomウェビナー使用)
世話人 木下誉富(大阪公立大学),田中成典(神戸大学)、植松直也(大塚製薬)
主催 CBI学会関西部会
共催 NPO法人バイオグリッドセンター関西
連絡先: お問い合わせは、下記メールにお願いいたします。

情報計算化学生物学会(CBI学会)関西部会事務局

プログラム  

  1. 13:00-13:05 世話人挨拶

  2. 13:05-13:45
    「希少がん治療のためのヒット化合物獲得まで〜unstructured proteinを相手に〜」
    岩崎憲治(筑波大)

    希少疾患こそアカデミアで取り組むべきという立場から、Structure-based Drug Design(SBDD)を主とした創薬に取り組んでいます。今回ご紹介するのは、既知の薬との複合体構造を解明したという結果ではなく、未知の構造の解明から新規の化合物探索を行った結果になります。特に、受容体のような明確な折れたたみ構造をした分子がターゲットではなく、unstructured proteinがその創薬標的分子であり、通常のSBDDが通用しない相手になります。クライオ電子顕微鏡や、生化学、細胞生物学、NMR、高速AFM、ハイスループットスクリーニング系の構築、患者さんとの対話まで、本氣の創薬へ「化学」の眼で取り組んでいる研究をご紹介します。

  3. 13:45-14:15
    「放射光タンパク質結晶構造解析 測定・解析最前線」
    平田邦生(理研播磨)

    放射光を利用したタンパク質結晶構造解析は自動測定により測定効率・精度は劇的に向上した。それに伴って我々は大量データ収集による新しいパラダイムを見出してきた。大量データの利用により構造情報をより多く得ること、階層的クラスタリングを利用して構造多型かつ生物学的に重要な構造情報をデータ分類により見出す方法である。これらの詳細、さらにこれらを活用するための新たな展開について発表する。

  4. 14:15-14:45
    「溶液中分子観察により見出された蛋白質の運動性と機能相関
    最近の電子回折によるナノ結晶解析例」
    松本崇((株)リガク)

    蛋白質は溶液中で柔軟に揺らいでおり、このしなやかさが機能に密接に関わる。このため、蛋白質機能を詳細に理解する為には、溶液中の分子観察が重要である。一方、結晶構造解析の分野では、これまでX線では対象とならなかったナノサイズ結晶の構造解析に対する要望が増している。本発表では、新たに開発した溶液中の分子観察手法に基づく蛋白質の運動性、および電子回折によるナノ結晶の構造解析例を紹介する。

  5. 14:45-14:55 (休憩)

  6. 14:55-15:35
    「AIによるタンパク質構造予測と創薬支援計算」
    大上雅史(東工大)

    AlphaFold2の登場から3年、多くの創薬・生命科学研究にタンパク質立体構造予測が活用される時代となった。複合体構造予測(AlphaFold-Multimer)、タンパク質-ペプチドドッキング予測、人工タンパク質設計(AfDesign)、リガンド当てはめ(AlphaFill)など、AlphaFoldをベースとした予測技術の発展も急速に進んでいる。本講演では、AlphaFold2を軸に、情報学・AIが分子設計・創薬へもたらす革新の可能性について、我々の研究成果を紹介しつつ、AlphaFold3も踏まえて議論する。

  7. 15:35-16:15
    「計算機を用いたタンパク質の設計・改造」
    小杉貴洋(分子研)

    計算機を用いたタンパク質設計手法が発展し、天然にはない新しいタンパク質を創ることや天然のタンパク質を合理的に改造することが可能になってきました。こういったタンパク質設計はどのように行われているのか、我々が行った研究を紹介しながらお話しします。また、急速に発展している深層学習を用いた手法についても可能な範囲で触れられたらと思います。

  8. 16:15-16:55
    「MDシミュレーションによる創薬研究」
    森次圭(大阪公立大)

    本講演では、生体分子の構造変化パスを効率的に探索する「重み付きアンサンブル法」を適用した最近の応用研究について説明する。また、データベースにある立体構造をすべて収集しMDシミュレーションと組み合わせて解析する「crystal structure ensemble」の手法についても紹介したい。

  9. 16:55-17:25  パネルディスカッション

  10. 17:25-17:30  世話人挨拶

講演会参加費
(種別) (料金)
法人会員 無料
一般 個人会員A 無料
個人会員B \3,000
非会員(一般) \10,000
学生 学生会員 無料
非会員(学生) \1,000

・キャンセルの場合、2024年8月12日(月)までにご連絡いただければ手数料を差し引いて返金します。
それ以降は講演会参加費のキャンセル返金はできません。
・締切日(開催日一週間前)にコンビニ決済を選択すると5日間の支払猶予期間があるため、最長開催2日前まで支払いを延期できます。
ただし、支払いが完了しないと正式な参加申し込みとはならないため定員オーバーで参加できない可能性があることをご容赦願います。
・参加費が無料の方も、キャンセルされる場合は、なるべく早く   にご連絡ください。こちらでシステムから取り消します。
参加申込み 
7月1日から受付を開始します


お問い合わせ
◆情報計算化学生物学会(CBI学会)関西部会事務局