開催趣旨:
定量的予測における機械学習の進歩や、CGNMによるトップダウン解析手法の発展に伴い、PK-PD領域のパラメータ値が識別可能かどうかの評価および予測値の幅の推定が可能となってきました。本ワークショップでは、以下のテーマについてアカデミアや企業の専門家をお招きし、最新の解析手法や創薬応用への可能性についてご講演いただきます。
・慢性疾患の長期進行を機械学習で解析する手法
・クリアランス経路別の合理的なPKにおける人種差の評価
・メカニスティックPKモデリングを用いた腎疾患の病態解析
・PBPKモデリング対象の臨床試験において静脈内投与データがない場合のデータ取り扱い方法
・近年注目されている高アルブミン結合薬物における体内動態予測法の新展開
さらに、講演終了後には約1時間のラウンドテーブルディスカッションを企画しており、参加者の皆様との意見交換を促進いたします。ぜひご参加ください。
日時: 2024年12月9日(月)13:00-17:30 場所: オンライン配信(Zoomウェビナー使用) 世話人: 杉山 雄一(城西国際大学 イノベーションベース),樋坂 章博(医薬品医療機器総合機構(PMDA)) 連絡先: お問い合わせは、下記メールまたはTELにお願いいたします。
TEL: 03-6435-0458 (情報計算化学生物学会(CBI学会)事務局)
プログラム
- 13:00 - 13:05 世話人挨拶
- 13:05 - 13:50
「生涯にわたる慢性疾患進行を臨床試験の情報から推定する」
樋坂 章博 (医薬品医療機器総合機構(PMDA))
慢性疾患は経時的に進行し必要な治療はその病期に依存するが、病期の評価が困難で多くは画一的な治療しか提供できていない。最近、IT技術でバイオマーカー情報を処理し、慢性疾患進行を解析するDisease Progression Model with Temporal Realignment (DPM-TR; Pharmacol Ther, 259, 108655, 2024)がその解決法として注目されている。我々は独自にプログラム(SReFT)を開発し、アルツハイマー病、パーキンソン病、COPDの長期進行を解析したので解説する。またこの解析への機械学習の適用について述べる。
- 13:50 - 14:25
「クリアランス経路分類に基づく薬物動態における人種差の予測」
佐藤 洋美(千葉大学大学院薬学研究院 臨床薬理学)
日本人での臨床試験の必要性は、PKの人種差のリスクに影響される。また異なる国のPK試験を比較する場合は、試験間差と人種差の分別が必要である。我々は81薬の日本人・欧米人のPK情報を経口クリアランス(CL)経路別に分類し、ベイズ理論に基づく階層誤差モデルを組み立て、経路ごとにCL比を推定した。その結果、人種差のリスクのあるCL経路および経路ごとの試験間差・個人間差が確認された。本解析に基づく合理的なPKの人種差の評価法について考察する。
- 14:25 - 15:10
<15:10 - 15:20 休憩>
「アルブミン介在性の肝取り込みは、薬物動態領域の理論体系を変える」
杉山 雄一(城西国際大学 イノベーションベース)
循環血中にヒトアルブミン(HSA)は700 uM近い濃度で存在する。近年開発されるアニ オン系の薬物は血中非結合型分率が0.01より小さいものが数多く存在する。従来のフリ ー仮説に従うと説明できない多くの現象が整理されてきた。(1) 肝取り込み関する IVIVEが過少評価する、(2)非線形動態を示すIn vivo Km値(肝取り込み)は、HSAな しで測定される値と比べるとin vivoでは100倍以上、小さい値と計算されるなどの現 象である。これらの現象は、肝細胞表面とHSAが相互作用することにより、肝細胞表 面に結合したHASのKd 値がより低濃度にシフトするという仮説(facilitated dissociation model)により説明できることを、具体的なデータをもとにして説明する
- 15:20 - 15:55
「腎障害時における腎分泌クリアランス変動を決める要因解析;OAT及びOCT基質間、ならびに化合物間の比較」
浅野 聡志(中外製薬株式会社 医科学薬理部)
腎分泌を示すトランスポーター基質となる化合物は多く、アニオン系及びカチオン系の基質の取り込みにはそれぞれOAT1/3及びOCT2、尿細管管腔への排泄にはそれぞれMRPs及びMATEsが関与する。本研究では腎障害時におけるGFRの低下と分泌クリアランスの低下を比較することにより、その程度がアニオン、カチオンで大きく異なることを示す。その後、その違いを説明できるメカニズムについても、インタクトネフロン仮説を用いて言及する。
- 15:55 - 16:30
「生理学的薬物速度論による薬物動態解析における、適切な分布容積推定の重要性の検討」
風岡 顯良(名城大学薬学部)
皮膚・筋肉・脂肪組織などの組織分配係数(Kp)値は、薬物の物性からin silicoにより予測されることが多い。しかし、その予測には限界があり、分布容積が誤って予測されるケースがある。本研究では、誤って予測したKp値を用いて、生理学的薬物速度論モデルによる薬物動態解析を行った場合に、どのように薬物動態パラメータが誤って算出されるのかを示す。さらに、真のパラメータから外れる原因についても考察する。
- 16:30 - 17:30 ラウンドテーブルディスカッション
講演会参加費参加申込み
(種別) (料金) 法人会員 無料 一般 個人会員A 無料 個人会員B ¥3,000 非会員(一般) ¥10,000 学生 学生会員 無料 非会員(学生) ¥1,000
キャンセルの場合、2024年12月1日(日)までにご連絡いただければ手数料を差し引いて返金します。
それ以降は講演会参加費のキャンセル返金はできません。
コンビニ決済を選択すると5日間の支払猶予期間がありますが、支払いが完了しないと正式な参加申し込みとはならないため、締切日にご留意ください。
(ただし、定員オーバーで参加できない可能性があることをご容赦願います)
参加費が無料の方も、キャンセルされる場合は、なるべく早く にご連絡ください。こちらでシステムから取り消します。
お問い合わせ
>>CBI学会会員管理および講演会登録ページ
※2024年12月1日(日)まで受け付ける予定ですが、定員に達した場合は予告なく受付を締め切ります。
※Zoom アプリは最新にしておいてください。
※参加登録をお済ませの方には、12月5日(木)までに、Zoomウェビナーへの入室情報を電子メールでお知らせします。
上記期日までに届かない場合は、下記お問い合わせ先までご連絡ください。◆情報計算化学生物学会(CBI学会)事務局
TEL:03-6435-0458