***第471回CBI学会講演会のお知らせ***

 「網羅的解析とインフォマティクスによる新たな創薬機会の創出」

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開催趣旨
現在、創薬標的、とりわけ低分子や抗体による薬効が期待できる標的は枯渇しつつあると考えられています。一方で、トランスクリプトミクス、プロテオミクスといった網羅的解析技術や、GWAS、TWASなどデータ解析手法の進展、さらにはAI・機械学習の活用により、新たな標的分子やバイオロジーと疾患のつながりが明らかになってきています。 本講演会では網羅的解析やインフォマティクスの分野で革新的な研究を進められている先生方にご講演いただきます。参加者の皆様が、今後の創薬研究の発展について考える機会になることを期待します。
日時 2026年3月10日(火)13:00-17:30
場所 オンライン配信(Zoomウェビナー使用)
世話人 天野 靖士(アステラス製薬株式会社)、小久 保裕功(中外製薬株式会社)、谷村 直樹(みずほリサーチ&テクノロジーズ株式会社)、宮崎 大祐(パトコア株式会社)
連絡先: お問い合わせは、下記メールまたはTELにお願いいたします。

TEL: 03-6435-0458 (情報計算化学生物学会(CBI学会)事務局)

プログラム  

  1. 13:00 - 13:05 開会挨拶

  2. 13:05 - 13:55
    「AI創薬におけるデータ基盤とキュレーション」
    水口 賢司(大阪大学 蛋白質研究所)

    生命科学・創薬分野における人工知能(AI)活用は、AlphaFoldに象徴されるように高品質な公開データ基盤に支えられて発展してきた。一方で、多くの生物学的課題では、データ不足や不十分な整理・統合(キュレーション)がAI活用の障壁となっている。薬物動態モデリングを例に、問題の本質を捉えた適切なデータ表現と専門知識に基づくキュレーションが予測性能を左右すること、さらに、転移学習やマルチタスク学習、ハイブリッドモデリングが限られたデータを補完できる可能性を示し、体系的なデータ整備が今後のAI創薬の鍵であることを議論する。

  3. 13:55 - 14:45
    「リン酸化プロテオミクスを用いた大腸がん肝転移に対する治療法開発」
    足立 淳((国研) 医薬基盤・健康・栄養研究所 創薬デザイン研究センター/京都大学大学院薬学研究科/大阪大学大学院医学系研究科)

    大腸癌患者の約半数が肝転移(CRLM)を発症する。再発を予防するために術後補助化学療法が行われるが、切除を受けたCRLM患者の70~80%がこの治療に耐性を示し、腫瘍再発を招く。本研究は、リン酸化プロテオミクスアプローチを用いて、予後不良なCRLM患者に対する新たな治療戦略の開発を目的とした。
    術後補助化学療法を受けた18名のCRLM患者から初回転移病巣と再発腫瘍の経時採取組織切片を収集した。38,000以上のリン酸化部位を定量化し、キナーゼ活性予測を行い、患者の予後不良との関連性を解析した。
    術後補助化学療法中に再発した予後不良のCRLM患者においてPAK1キナーゼが活性化していることが明らかとなった。次に、大腸がん細胞株35株のキナーゼ活性情報、薬剤感受性情報から薬剤感受性-キナーゼ活性相関を行い、PAK1高活性大腸がんに感受性を示す薬剤をランキングした。その結果、上位5薬剤が全てPI3K阻害剤であった。FDA承認済PI3K阻害剤copanlisibを用いてin vitroおよびin vivoで抗腫瘍効果を確認した。
    薬理学的リン酸化プロテオミクスデータの統合解析により、CRLM予後不良症例におけるPAK1キナーゼ活性化を明らかにし、化学療法抵抗性CRLMの治療標的候補としてPI3Kキナーゼ阻害剤を同定した。

  4. <14:45 - 14:50 休憩>

  5. 14:50 - 15:40
    「データ駆動的アプローチが切り拓く次世代ワクチン・創薬研究」
    夏目 やよい((国研) 医薬基盤・健康・栄養研究所 AI健康・医薬研究センター/徳島大学先端酵素学研究所)

    本講演では、生命現象や疾患を多面的に捉えるためのデータ駆動的アプローチについて、次世代のワクチンアジュバント開発や創薬研究への展開に資する研究成果について紹介する。電子カルテや画像を含む医療情報や、オミックスデータといった多様かつ大規模なデータを統合的に解析することで新たな知識創出に繋げるデータ駆動的アプローチの実践、さらにはそれを支えるデータベース・プラットフォーム構築の重要性について、さまざまな具体例を交えながら議論する。

  6. 15:40 - 16:30
    「生命情報と化学情報の網羅的解析によるAI創薬」
    山西 芳裕(名古屋大学大学院情報学研究科)

    近年の生命医科学では、疾患に関するゲノム、トランスクリプトーム、プロテオーム、フェノーム、インターラクトームなどの生命情報が得られるようになり、生体内分子の網羅的解析が可能になった。同時に、膨大な化合物に関する化学情報も蓄積されている。このようなビッグデータ時代において、生命情報や化学情報の融合解析から医療・創薬に繋げることが求められている。本研究では、疾患に関するマルチオミクス情報・臨床情報、タンパク質の立体構造情報、化合物に関する化学構造情報などの多様なデータを融合解析し、医療・創薬のための機械学習アルゴリズム(AI基盤技術)の開発を行った。当日は、創薬標的探索、医薬品分子設計、薬効・副作用予測などへの応用例をいくつか紹介する。

  7. <16:30 - 16:35 休憩>

  8. 16:35 - 17:25
    「ゲノム・オミクス解析による未開拓領域へのアプローチ」
    里見 佳典(Axcelead Drug Discovery Partners株式会社)

    創薬標的候補の枯渇が指摘される一方で、新規モダリティ技術や大規模言語モデルを含むAI技術の進展により、従来の知識体系では捉えられなかった標的候補を発掘する動きも進展している。さらに、ゲノム情報を起点とした多層的オミクス解析は、生体システムを網羅的かつ客観的に理解する手法として発展し、疾患関連メカニズムの再定義や新規創薬仮説の創出に貢献する手法として重要性が増している。 本発表では、標的探索を疾患メカニズムの未開拓領域の探索と捉え、ゲノムと疾患メカニズムの関連性評価、プロテオーム・メタボローム解析による新規メカニズム発見のためのアプローチについて紹介する。また、データ主導型で見出された創薬標的候補を迅速に創薬研究に展開するための考え方についても議論する。

  9. 17:25 - 17:30 おわりに


講演会参加費
(種別) (料金)
法人会員 無料
一般 個人会員A 無料
個人会員B ¥3,000
非会員(一般) ¥10,000
学生 学生会員 無料
非会員(学生) ¥1,000

キャンセルの場合、2026年3月3日(火)までにご連絡いただければ手数料を差し引いて返金します。
それ以降は講演会参加費のキャンセル返金はできません。
締切日(開催日一週間前)にコンビニ決済を選択すると5日間の支払猶予期間があるため、最長開催2日前まで支払いを延期できます。
ただし、支払いが完了しないと正式な参加申し込みとはならないため定員オーバーで参加できない可能性があることをご容赦願います。
参加費が無料の方も、キャンセルされる場合は、なるべく早くにご連絡ください。こちらでシステムから取り消します。
参加申込み 
>>CBI学会会員管理および講演会登録ページ

※3月3日(火)まで受け付ける予定ですが、定員に達した場合は予告なく受付を締め切ります。
※Zoom アプリは最新にしておいてください。
※参加登録をお済ませの方には、2026年3月5日(木)までに、Zoomウェビナーへの入室情報を電子メールでお知らせします。
上記期日までに届かない場合は、下記お問い合わせ先までご連絡ください。
お問い合わせ
◆情報計算化学生物学会(CBI学会)事務局
  
   TEL:03-6435-0458