開催趣旨:
生成AIやAIエージェントの急速な普及により、計算科学者を取り巻く環境は大きく変化しつつある。 こういった環境の中、本講演会の目的はAIエージェントそのものを紹介することではなく、こうした変化の中で「計算科学者の立ち位置はとうなるのか?」「これから何を学び強みにしていくべきか?」「企業での環境整備はどうするべきか?」を参加者一人ひとりが考えるきっかけを提供することにある。Wet研究者がAIツールを日常的に使い始める現在、DryとWetの境界は揺らぎつつある。生成AIを利用したコーディングなど、これまで習得に時間がかかった技術が身近になりつつある半面、問題も出てくるのではないだろうか?本講演会では、研究・教育・現場の多様な視点を交差させながら、AI時代における計算科学者の立ち位置を再考する。
日時: 2026年11月9日(月)13:00-17:10 場所: オンライン配信(Zoomウェビナー使用) 世話人: 大川 和史(塩野義製薬株式会社)、髙橋 一敏(味の素株式会社)、芹沢 貴之(第一三共株式会社)、宮野 奈津美(帝人ファーマ株式会社)、鷹羽 健一郎(旭化成セラピューティクス株式会社) 連絡先: お問い合わせは、下記メールまたはTELにお願いいたします。
TEL: 03-6435-0458 (情報計算化学生物学会(CBI学会)事務局)
プログラム
- 13:00 - 13:05 挨拶
- 13:05 - 13:40
「AIを活用した公共データベースのメタ解析」
坊農 秀雅(広島大学大学院統合生命科学研究科)
近年、公共データベースには膨大な生命科学データが蓄積されているが、その質・量ゆえに人手のみでの解析には限界がある。本講演では、Large Language Model(LLM)などのAIを活用し、公共遺伝子発現データベースからメタデータを効率的にキュレーションし、複数のデータセットを横断的に統合・解析するメタ解析手法について紹介する。低酸素応答や温度ストレス応答関連遺伝子の網羅的探索など具体例を通じ、AIによる公共データ再利用の可能性と今後の課題を議論する。
- 13:40 - 14:15
「AI創薬という言葉が消えた未来で」
大上 雅史(東京科学大学)
深層学習の進展により、「AI創薬」は特別な研究領域から、創薬を支える日常的な基盤へと変わりつつある。やがてこの言葉が消えるほどAIが当たり前になったとき、情報科学の研究者は何を担うのか。本講演では、完全dry系研究者の立場から、ペプチド・抗体・低分子・天然物を対象とした生成・予測・最適化と、データが乏しい領域を補う分子シミュレーションの研究例を紹介する。AlphaFoldや化学言語モデルの応用に加え、FastLomapやPairMapなどFEP計算を支えるアルゴリズムなどの研究例を通して、既存技術を適用するだけでなく、創薬の現場にある問いを起点に、新しい計算手法を組み立てていくことの意義を議論したい。
- 14:15 - 14:50
「創薬計算科学者の役割を再考する ~AIコーディング時代の研究・教育・現場~」
高谷 大輔(大阪大学 大学院薬学研究科)
大阪大学大学院薬学研究科量子生命情報薬学分野では、分子動力学計算、フラグメント分子軌道法などの量子化学計算、ドッキング、およびそれらを支えるツール開発を中心に、創薬計算科学の研究を進めている。これらは従来、専門的なプログラミング技術と長い習得期間を要したが、対話型AIやClaude Codeに代表されるAIコーディング支援の登場により、状況は大きく変わりつつある。本講演では、薬学部の大学研究室に身を置く教員・研究者の視点から、これらのAIツールが計算手法の実装やツール開発の現場をどのように変えつつあるかを、具体例とともに紹介する。あわせて、コーディングが身近になる一方で、計算科学者が何を強みとして学び続けるべきかを、研究・教育の両面から考えたい。
<14:50 - 15:10 休憩>
- 15:10 - 15:45
「AIは同僚になれるのか?:製薬企業におけるAI利活用」
柴原 琢磨(第一三共株式会社 グローバルDX)
生成AIは文章やコードを生成する道具から、手順を理解し、データやシステムを操作して仕事そのものを担うAIへと変わりつつある。AIは私たちの同僚になれるのか。それを決めるのはモデルの性能だけではない。本講演では第一三共の社内で進めているAI活用と人材育成の取り組みを紹介し、AIとともに働くなかで私たちの役割がどう変わるのかを考える。
- 15:45 - 16:20
「AI時代に計算科学者が手放してはならないものを考える ― Wet/Dryを経験した実務者の視点」
須佐井 亮(塩野義製薬株式会社)
生成AIやコーディングエージェントの登場により、コード生成・理解の速度は飛躍的に向上した。しかしトータルの生産性向上は自明ではない。なぜなら、成果の大きさを決める最重要ファクター—「何のためにこの技術を使い、どのような価値を生むか」—はAI時代においても変わらず人間の領分だからである。価値とは人間にとっての価値であり、異なるコンテキストを生きるAIにその評価は難しい。ツールを扱うだけの人材の価値が下がっていく一方、「何を解くべき問題として定義するか」を問い続けられる計算科学者の強みは、AI時代においても変わらず核心であり続けると考える。薬学・製剤研究を経てデータサイエンスへと転身した産業界の実務者として、この問いを現場の肌感覚とともに考えてみたい。
- 16:20 - 17:05 パネルディスカッション
- 17:05 - 17:10 挨拶
講演会参加費参加申込み
(種別) (料金) 法人会員 無料 一般 個人会員A 無料 個人会員B ¥3,000 非会員(一般) ¥10,000 学生 学生会員 無料 非会員(学生) ¥1,000
キャンセルの場合、2026年11月2日(月)までにご連絡いただければ手数料を差し引いて返金します。
それ以降は講演会参加費のキャンセル返金はできません。
締切日(開催日一週間前)にコンビニ決済を選択すると5日間の支払猶予期間があるため、最長開催2日前まで支払いを延期できます。
ただし、支払いが完了しないと正式な参加申し込みとはならないため定員オーバーで参加できない可能性があることをご容赦願います。
参加費が無料の方も、キャンセルされる場合は、なるべく早くにご連絡ください。こちらでシステムから取り消します。
お問い合わせ
>>CBI学会会員管理および講演会登録ページ
※11月2日(月)まで受け付ける予定ですが、定員に達した場合は予告なく受付を締め切ります。
※Zoom アプリは最新にしておいてください。
※参加登録をお済ませの方には、2026年11月4日(木)までに、Zoomウェビナーへの入室情報を電子メールでお知らせします。
上記期日までに届かない場合は、下記お問い合わせ先までご連絡ください。◆情報計算化学生物学会(CBI学会)事務局
TEL:03-6435-0458