開催趣旨

2007年年次大会 2007年10月3日(水)〜5日(金)
テーマ:「量子化学・計算化学から生命へ
(Quantum Chemistry & Computational Chemistry to Life)」
 
 最近の計算機能力の拡大(計算速度・容量・ネットワーク)によって,化学の分野からも、また、情報の分野からも、生体系の仕組みを理解するためのアプローチは、大きく変化している。
 ナノオーダーの巨大分子を量子化学的手法で解くことが可能となっている。 酵素の反応メカニズムを、蛋白質全体を非経験的分子軌道法計算の対象分子として解明することも可能な時代となっている。 一方、さまざまな生体構成分子がどのように連携して生命活動を担っているのか,を網羅的に明らかにしようとする研究も進展している。
 分子・原子のレベルで生体構成成分やそれらの間の相互作用を理解することはスタートラインである。 しかし、構成分子を量子化学・計算化学のレベルで理解することと、生命の仕組みを理解することとの間には、大きな隔たりがある。 まず、この隔たりがあることを認識し、そして、その隔たりを乗り越えていく道筋と手段を考えていかなくてはならない。 化学と情報との融合をさらに図ることによって、それは可能になる。 CBI学会2007年大会は、その概念を明確にすることを目的とする。
 次代を担う学生や研究者の卵のみなさんと、今を担っている研究者の方々が、現在の研究、そして将来の夢を楽しく語り合えるような場としたいと考えている。 様々な分野の方々の参加を期待している。

大会実行委員長 相田 美砂子(広島大学大学院理学研究科)