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| ▼SS01 | AMED/BINDインシリコユニットにおける高度化研究 | 10月28日(火)14:00-15:30 | [瑞雲] |
| ▼SS02 | NVIDIA / ジーデップ・アドバンス | 10月28日(火)14:00-15:30 | [平安] |
| ▼SS03 | 学術変革領域研究(A) 天然物が織り成す化合物潜在空間が拓く生物活性分子デザイン |
10月28日(火)14:00-15:30 | [福寿] |
| ▼SS04 | イクトス株式会社 | 10月29日(水)14:00-15:30 | [瑞雲] |
| ▼SS05 | 株式会社Elix | 10月29日(水)14:00-15:30 | [平安] |
| ▼SS06 | GENESIS Users' Group | 10月29日(水)14:00-15:30 | [福寿] |
| ▼SS07 | 株式会社ゼウレカ | 10月30日(木)14:00-15:30 | [瑞雲] |
| ▼SS08 | さくらインターネット株式会社 | 10月30日(木)14:00-15:30 | [平安] |
| ▼SS09 | アマゾン ウェブ サービス ジャパン合同会社 | 10月30日(木)14:00-15:30 | [福寿] |
| SS01-01 | |
| 酒向 正己(東京科学大学) | |
| 「タンパク質3次元構造とファーマコフォア制約を考慮した拡散モデルによる3次元分子生成手法の開発」 | |
| 構造ベース創薬において、タンパク質–リガンド分子間の相互作用を明示的に制御することは重要である。本研究では、タンパク質の3次元構造に加え、水素結合や疎水性相互作用といったファーマコフォア制約を組み込んだ、拡散モデルに基づく3次元分子生成手法を開発した。提案手法では、それぞれの相互作用を効果的に処理する専用のネットワークを構築し、その情報を統合することで、空間的配置と化学的特徴を反映した分子を生成することが可能となる。これにより、指定された相互作用を高精度に再現した分子生成が実現される。SARS-CoV-2メインプロテアーゼを対象としたモデル検証では、生成分子が参照リガンドと同等の結合安定性や高い親和性を示した。 | |
| SS01-02 | |
| 唐澤 昌之(東京大学 大学院農学生命科学研究科 応用生命工学専攻) | |
| 「計算科学によるSAM依存性3-ACP転移酵素の反応機構解析」 | |
| Nocardicin Aは、放線菌Nocardia uniformisが産生するβ-ラクタム系抗生物質であり、その3-アミノ-3-カルボキシプロピル(3-ACP)基は抗菌活性に必須である。3-ACP基は、SAM依存性酵素NATによってSAMからNocardicin Gのフェノール性水酸基へと転移される。本研究では、計算科学的アプローチによりNATの反応機構を解析した。まず、SAMアナログSAHとNocardicin Gが結合したNATの共結晶構造に基づき、SAM・Nocardicin G結合型のNATモデル構造を作成した。MDシミュレーションとQM/MM計算の結果から、SAMとタンパク質残基間のプロトンリレーを経て転移反応に適したプロトン化状態が形成され、続く求核置換反応により3-ACPが転移することを明らかにした。 | |
| SS01-03 | |
| Jiravejchakul Natnicha ジラベチャクル ナニチャ(大阪大学 免疫学フロンティア研究センター) | |
| 「免疫レパトア解析による多疾患分類と治療層別化の機械学習」 | |
| We developed a fast and robust machine learning pipeline for multi-disease classification using immune repertoire data. It accurately classifies TCR sequences across 16 disease classes, including cancer, infectious, and autoimmune diseases, as well as healthy donors. It also reliably stratifies cancer patients into responders and non-responders to immune checkpoint therapy, highlighting its potential for both diagnostics and treatment monitoring. | |
| SS01-04 | |
| 小関 準(産業技術総合研究所) | |
| 「アンドラガッブルな標的へのアクセスを可能とする隠された結合部位探索」 | |
| 創薬プロセスでは標的の枯渇が大きな課題となっている。その一因は、有望な標的が見つかっても、低分子や中分子が結合できる部位が存在しなかったり、タンパク質間相互作用によって制御されているなど、従来の手法ではアプローチが難しい“アンドラッガブル”な標的が増えているためである。我々は、この課題に対し、隠れた結合部位(クリプティックサイト)を標的とした創薬支援技術を開発している。本発表では、新規予測手法 CrypToth を中心に、クリプティックサイトを標的とした創薬支援の取り組みを紹介する。 | |
| SS02-01 | |
| 山田 泰永(エヌビディア合同会社 ヘルスケア開発者支援シニアマネージャー) | |
| NVIDIAはGPUハードウェアと汎用的なAI基盤となるソフトウェアだけではなく、生物学や創薬分野に特化した様々なソフトウェアを提供しています。BioNemoは生物学、創薬分野の生成AIモデルを高速かつ簡便に開発、カスタマイズするためのフレームワークで、Evo2やGeneformer、ESM-2といった基盤となるモデルをサンプルとして収録しています。BioNemo NIMは学習済モデルの推論活用に特化したアプリケーションコンテナであり、GPUに最適化した高速性と、依存関係のあるライブラリ群やサービング部分等を一つのコンテナに収め、オンプレミス環境でもクラウド環境でもAPIコールによって簡便に活用できるマイクロサービスになっています。創薬分野で昨今話題となっているBoltz-2をはじめとして、Evo2、alphafold2、proteinmpnn、rfdiffusion等の生体・タンパク質側、genmolやmolmimの化合物生成、ドッキングのdiffdock等が利用可能です。これらの他にも多数の有用なソフトウェアとハードウェアの最新情報をご紹介します。 | |
| SS02-02 | |
| 本間 光貴(理化学研究所 生命機能科学研究センター 制御分子設計研究チーム チームディレクター) | |
| 「NVIDIA GPU上でのBoltz-2を中心とした大規模スクリーニング」 | |
| AlphaFold3, Boltz-2, Chai-2に代表されるタンパク質等の生体高分子の構造予測AIの発展は日進月歩であり、特にBoltz-2ではタンパク質と低分子リガンドの複合体構造予測だけではなく、結合親和性の予測も高精度で実施することが可能となった。従来のAutodock等の分子力場ベースのドッキングスコアでは、ぎりぎり活性判別が可能な程度の性能であったが、Boltz-2は、チューニングすることなく定量的な親和性予測が可能である。しかし、分子力場ベースのドッキングに比べると計算コストが高く、大規模なインシリコスクリーニングに利用するためには高性能のGPUが必要となる点がネックであった。また、GPUで実行する際にコードや設定を最適化することも重要となる。 今回、Nvidiaのご協力によりGPUに最適化されたBoltz-2のBioNemo NIMを利用する機会を得て、大規模なインシリコスクリーニングのデモンストレーションを行っている。ヒストンメチル化酵素に対して数十万規模の化合物をドッキングする予定であり、当日は予測精度の検証と大規模なスクリーニングの実施状況について紹介する。 | |
| SS03-01 | |
| 榊原 康文(北里大学) | |
| 「タンパク質特異的な化合物生成モデルの構築とタンキラーゼ阻害剤への応用」 | |
| 創薬における課題である標的タンパク質特異的な化合物構造の効率的設計を目的として、本研究ではモデルの基盤にTransformerを採用し、エンコーダには大規模データで事前学習されたタンパク質言語モデルESM-2、デコーダには榊原らが開発した分子生成モデルFRATTVAEを導入した。AlphaDrugとの比較実験により、高い親和性と特異性を持つ化合物を短時間で生成可能であることを示した。応用例として、タンキラーゼ阻害剤の設計に本モデルを適用し、新規化合物の有効性をドッキングシミュレーションで確認した。 | |
| SS03-02 | |
| 岩田 浩明(鳥取大学) | |
| 「AIによる医薬品候補化合物評価モデルの開発と共同研究での検証検討」 | |
| 医薬品開発における候補化合物評価の迅速化を目指し、AIによるin silico予測モデルを構築している。化合物‐タンパク質情報から活性を分類・予測するモデルや、化合物情報からADME特性を高精度に推定するモデルにより、開発効率の向上や新規ターゲット探索への応用が期待される。現在、実験研究者との共同研究で新規化合物への適用を進め、初期評価結果の検証を行っている。 | |
| SS03-03 | |
| 清水 秀幸(東京科学大学) | |
| 「抗菌活性を題材としたAI駆動型の天然物マイニングと中分子デザイン」 | |
| 薬剤耐性(AMR)は世界的な公衆衛生上の脅威であり、2050年までに年間1,000万人が死亡すると推定される。そこで我々は多くの生物が進化の過程で獲得した生体防御分子である抗菌ペプチド(AMPs)に着目した。天然物の情報のみから抗菌活性を正確に予測するAIを構築し、多数の天然物質をマイニングした。AIにより示された候補物質の一部は実際に化学合成し実験的に評価した。その結果、複数の候補が強力な抗菌活性を示すことを確認した。本講演では、抗菌活性を一つの題材として生物活性分子の探索とデザインについて報告する。 | |
| SS03-04 | |
| 林 周斗(東京科学大学) | |
| 「自律学習型分子設計プラットフォームの開発と応用」 | |
| 深層学習の進展により、AI駆動型の分子設計が加速している。しかし、既存手法の多くは設計から評価へ至る一方向のワークフローにとどまっており、評価結果を次の設計へ体系的に還元する仕組みは十分に確立されていない。そこで我々は、評価結果から得られる知見を設計指針としてフィードバックする自律学習型プラットフォームを構築した。応用例として、本プラットフォームを用いた機能性ペプチドの設計事例を紹介する。 | |
| SS04-01 | |
| 栗脇 生実(アステラス製薬株式会社) | |
| 「アステラス製薬のデジタルトランスフォーメーション ~化学モダリティでのDX創薬とDXタレント育成~」 | |
| アステラス製薬では、創薬研究プロセスの加速を目指して、2019年ごろからAIおよびロボットを活用するデジタルトランスフォーメーション(DX)基盤の整備を開始しました。その中核となる「人×AI×ロボットを統合した“Human-in-the-Loop”型の医薬品創製プラットフォームを開発し、研究現場での活用が拡大しています。成功事例の1つとして、AIが設計・予測し、ロボットが自動合成した化合物が既に臨床試験段階へ到達しています。本発表では、低・中分子などの化学モダリティにおける分析・設計工程でのDX創薬の推進に加えて、製造工程でのロボット合成オペレーションにおけるDX化や、DXタレント養成に向けたメドケム研究者育成プロセス、そして今後の展望について紹介します。 | |
| SS04-02 | |
| Victoire Cachoux(イクトス株式会社) | |
| 「合成駆動型生成AIによる分子設計:Growing OptimizerとLinking Optimizer」 | |
| 近年のAIによる分子生成技術は、物性最適化やケミカルスペースの探索において有望である一方、合成困難な分子が多数生成されるという課題があります。本研究では、実際の化学合成を模倣する反応ベースの分子生成モデル「Growing Optimizer」と「Linking Optimizer」を提案します。人名反応、反応点、ビルディングブロックの部分構造などを指定することで、ユーザーは化学的制約を柔軟に設定できます。REINVENT 4およびRxnFlowとの比較評価においては、物性最適化、合成容易性、構造多様性の各指標で優れた性能を示しました。これらのモデルは、実際の創薬プロジェクトや自動合成システムとの連携にも有用です。 | |
| SS04-03 | |
| 藤 秀義(イクトス株式会社) | |
| 「Iktosの次世代創薬アプローチ:3D Generative AIとロボティクスによる実験自動化」 | |
| Iktosは、新薬設計のための生成AI「Makya」、逆合成解析AI「Spaya」、自動合成ワークフローを最適化するオーケストレーションAI「Ilaka」、そしてロボティクスによる自動合成・評価を統合したLab-in-the-loop型創薬プラットフォームを構築しています。本プラットフォームは、AIによる分子生成から自動合成・評価までをシームレスにつなぎ、創薬の効率・スピード・成功確率を飛躍的に向上させます。 ヒューマンセントリックなAI駆動型イノベーションが評価され、当社は欧州委員会のEIC Accelerator Programに採択されました。この助成を活用し、分子設計・自動合成・生物学的試験を完全統合したエンドツーエンド創薬プラットフォームの実現に向け、さらなる開発と拡張を進めています。 近年では、最新の3D Generative AI技術を駆使し、これまで「Undruggable」とされてきた創薬標的に対する革新的な分子設計にも挑戦しています。本講演では、本プラットフォームを活用した最新事例と、3D Generative AI技術の進展について紹介します。 |
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| スポンサードセッション SS05 株式会社Elix |
[平安] 10月29日 14:00-15:30 | |
| 低分子AI 創薬プラットフォームElix DiscoveryTM: 導入事例と最新機能のご紹介 | ||
| モデレーター :坪内 朝子(株式会社Elix) | ||
Elix DiscoveryTMは、直感的なGUI(Graphical User Interface)で最適な化合物プロファイルの予測モデルを自動構築可能なほか、多様な構造生成の機能を有しており、「人間が思いつかない構造を提案する」という点が強みとなっています。さらに、当社独自開発モデルを含む厳選された構造生成モデルを活用しながら、GUI上で作成した予測モデルをはじめとする各種パラメータを直感的に最適化し、高速に化合物設計を行うことができます。またLBDD(Ligand-Based Drug Design)による分子構造生成だけでなく、ドッキングシミュレーション等を活用したSBDD(Structure-Based Drug Design)手法にも対応しているため、より多くの手法を試すことができます。 本セミナーでは、弊社より最新のElix DiscoveryTMの機能をご紹介するとともに、創薬研究における本プラットフォームの導入・活用事例、ならびにAI 創薬に関する取り組みなどについて、実際にElix DiscoveryTMをご導入いただいている企業様よりご講演いただきます。 |
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| SS05-01 | |
| 西岡 大貴(エーザイ株式会社) | |
| 「Elix DiscoveryTMへの期待」 | |
| 弊社では、長年培ってきた低分子創薬力とAI技術との融合に取り組んでいます。今回、Elix DiscoveryTMの導入に至った背景や期待等についてお話できればと思います。 |
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| SS05-02 | |
| 角谷 龍展(杏林製薬株式会社) | |
| 「分散から統合へ:Elix DiscoveryTMへの期待」 | |
| 当社では、研究部門におけるAI創薬の取り組みを加速させるため、このたびElix DiscoveryTMを導入しました。 現状、弊社における創薬AI活用の取組は、個々の小グループや個人単位での活動が中心ですが、同プラットフォームが研究者のハブとなることで情報共有や効率化が進み、 創薬研究の迅速化と質の向上がもたらされることを期待しています。 また、今後予定されている連合学習のUI実装および運営体制の整備を通じて、AI創薬が各企業の取り組みに留まらず、業界全体の取り組みへと進化していくことを願っています。 |
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| SS05-03 | |
| 堀 亜希美(日本たばこ産業株式会社) | |
| 「計算化学活用基盤構築に向けたJTの取り組み」 | |
| 創薬プロセスの生産性向上は、プロジェクトの探索期間短縮、開発化合物の創出確率向上、そして臨床での成功確率向上に貢献する重要な課題である。 計算化学技術を活用することで合成プロセスを効率化し、より価値の高い課題や業務にリソースを集中させることが期待されている。 近年、親和性や物性の予測、構造生成などの技術が急速に進化しており、これらの活用が解決策の一つとして注目されている。 一方で,実際の創薬プロセスを改善するためには技術を“創薬現場でどう使うか”も重要となる。 日本たばこ産業株式会社(JT)では合成前予測の有用性を検証し,それを踏まえて計算化学技術利用を徹底した合成展開にチャレンジした。 これらの検討・チャレンジを通じ、計算化学技術が実際の合成展開で果たす有用性と、予測技術利用のためのITインフラの重要性を確認した。 中でも機械学習モデルをDMTAサイクルの中で使うためには,適切なモデルが簡便に利用できる環境と、随時のモデル更新が必要であった。 本講演では実施した検討・チャレンジの内容及び現状の取り組みについて、システム構成にも触れながら紹介したい。 |
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| SS05-04 | |
| 石田 祐(株式会社Elix) | |
| 「タンパク―タンパク複合体情報を活用した構造生成」 | |
| タンパク―タンパク複合体やタンパクーペプチド複合体を元に低分子化合物を設計するアプローチは、以前から行われてきたものの、その分子サイズの違いもあり依然として難易度の高い課題です。本講演では、この課題に構造生成が貢献できる可能性に関して、Elix DiscoveryTMを用いた事例を元に紹介いたします。 | |
| SS05-05 | |
| 井上 貴央(株式会社Elix) | |
| 「Elix DiscoveryTMの最新機能」 | |
| 弊社では、低分子AI創薬プラットフォーム Elix DiscoveryTMを創薬の現場で活用していただくために、お客様の声をもとにして機能追加・改善に努めております。本講演では、Elix DiscoveryTMの最新機能について紹介いたします。 | |
| スポンサードセッション SS06 GENESIS Users' Group |
[福寿] 10月29日 14:00-15:30 | |
| GENESIS Users’ Group 第15回研究会「分子動力学ソフトウェアGENESISの最新技術と応用事例」 | ||
| モデレーター :李 秀栄(国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所)、信夫 愛(大阪大学)、新津 藍(理化学研究所) | ||
| 「GENESIS」は、国立研究開発法人理化学研究所を中心に開発している分子動力学ソフトウェアです(フリーソフトウェア:LGPLv3で配布)。超高並列性能が特徴で、スーパーコンピュータ「富岳」で10億原子のシミュレーションを可能にしました。最近では、生命科学、創薬、材料開発など幅広い分野で利用できるよう、様々なアルゴリズムを実装し、GPU対応などの汎用化も進めています。このたび、CBI学会にて「GENESIS Users’ Group 第15回研究会」を公開形式で開催します。開発者によるGENESISの最新機能や応用例、今後の開発に関する講演を予定していますので、ぜひご参加ください。 | ![]() 理研数理_GENESIS ユーザー会 ハンドアウト_v1.7 |
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| SS06-01 | |
| 鄭 誠虎(熊本大学 大学院生命科学研究部) | |
| 「Elucidating missing structural information in protein systems using gREST enhanced sampling」 | |
| How can we characterize the structure of a functionally important protein region when experimental data are lacking, or determine the binding mode of a ligand when structural information is unavailable? While AlphaFold has become a widely used tool, it still faces limitations, particularly in predicting flexible or intrinsically disordered regions and in accurately modeling protein–ligand complexes. In such challenging situations, the generalized replica exchange with solute tempering (gREST) method offers a powerful alternative. gREST is an enhanced sampling approach that selectively applies temperature scaling to user-defined “solute” regions while maintaining the rest of the system at physiological temperature. This strategy enables efficient conformational sampling of structurally elusive regions without disrupting the overall molecular context. In this presentation, we first provide an overview of the gREST methodology and then introduce two of its applications: peptide binding mode prediction for Src tyrosine kinase and structural modeling of the neck region in kinesin motor protein. The first example involves Src tyrosine kinase. Using gREST-based enhanced sampling, we successfully determined the binding mode of a peptide substrate, an experimentally elusive structure that has not been resolved to date. This structural insight provided a critical starting point for subsequent molecular dynamics simulations, which revealed how substrate binding alters the kinase’s conformational landscape and triggers allosteric conformational changes. The second example involves kinesin, a motor protein essential for intracellular transport. Its neck region is known to be critical for directional stepping but has long eluded structural determination. Using gREST, we resolved its atomic-scale structure in the microtubule-bound state. This structural model enabled downstream simulations that revealed how interactions between the neck region and the microtubule play a crucial role in directionally biasing kinesin’s stepping trajectory. Together, these studies highlight the unique power of gREST to uncover functionally relevant structural details and to serve as a foundational tool in dynamic biomolecular modeling. |
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| SS06-02 | |
| 尾嶋 拓(兵庫県立大学大学院理学研究科) | |
| 「自由エネルギー摂動法を用いたタンパク質―リガンド結合親和性予測」 | |
| Accurate estimation of protein–ligand binding affinities remains a major challenge in in silico drug discovery, as it directly influences the efficiency and cost-effectiveness of lead optimization. The free energy perturbation (FEP) method, based on all-atom molecular dynamics (MD) simulations, provides a rigorous framework for computing binding and solvation free energies with high accuracy. The FEP implementation in GENESIS [1] supports both relative and absolute binding free energy calculations, as well as relative and absolute solvation free energy estimations, achieving high predictive performance [2,3]. By combining FEP with generalized replica exchange with solute tempering (FEP-gREST), conformational sampling of the protein and ligand is enhanced by selectively increasing the temperature of designated regions in the system. To further improve computational efficiency, especially for large biomolecular systems, we implemented a modified FEP scheme that incorporates non-uniform scaling of Hamiltonian parameters [4]. This modification significantly reduces computational cost while maintaining predictive accuracy. Here we present the technical features of the FEP functions in GENESIS and evaluate their performance in predicting protein–ligand binding affinities. We also discuss future directions for extending the applicability of GENESIS to protein–ligand systems in drug discovery. [1] J. Jung, K. Yagi, C. Tan, H. Oshima, T. Mori, I. Yu, Y. Matsunaga, C. Kobayashi, S. Ito, D. Ugarte La Torre, Y. Sugita, J. Phys. Chem. B 128, 6028-6048 (2024) [2] H. Oshima, S. Re, Y. Sugita, J. Chem. Inf. Model. 60, 5382-5394 (2020) [3] S. Kim, H. Oshima, H. Zhang, N. R. Kern, S. Re, J. Lee, B. Roux, Y. Sugita, W. Jiang, W. Im, J. Chem. Theory Comput. 16, 7207-7218 (2020) [4] H. Oshima, Y. Sugita, J. Chem. Inf. Model. 62, 2846–2856 (2022) |
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| SS06-03 | |
| 八木 清(筑波大学 数理物質系 化学域) | |
| 「GENESISにおけるQM/MM法の開発と酵素反応への応用」 | |
| Hybrid quantum mechanical / molecular mechanical (QM/MM) method treats a region of chemical interest by highly accurate electronic structure methods while incorporating the surrounding solution and biological environment by low-cost molecular force fields. The QM/MM method has been widely used to elucidate the mechanism of complex systems such as enzyme reactions. We have implemented the QM/MM method into a molecular dynamics (MD) program GENESIS, which calls external QM programs to compute the electronic structure of the QM system. In this talk, I will illustrate the QM/MM module in GENESIS, namely, which QM programs are supported, how the input files are structured, how the parallelization is designed, and what users need to prepare to run the program. I will also show our recent development, which combines GENESIS/SPDYN with QSimulate-QM to achieve high-performance QM/MM-MD simulations [J. Chem. Theory Comput. 2025, 21 4016-4029]. The combination of highly parallelized algorithms in the two programs performs MD simulations based on DFTB in the QM size of ∼100 atoms and MM of ∼100,000 atoms with a better performance than 1 ns/day using one computer node. This feature paves the way for various enhanced sampling simulations based on the QM/MM potential. For example, free-energy perturbation (FEP) calculations based on QM/MM for predicting accurate ligand binding energies to target proteins, and enhanced sampling methods for elucidating the mechanism of enzymatic reactions are under development. | |
| SS06-04 | |
| 杉田 有治(理化学研究所・東京大学) | |
| 「マルチスケール分子動力学ソフトウェアGENESISの開発:現状と将来計画」 | |
| GENESIS is molecular dynamics software developed by RIKEN in collaboration with developers from universities and research institutions across Japan. Its main features include support for multi-scale molecular dynamics (MD), including all-atom MD, coarse-grained MD, and hybrid quantum mechanics/molecular mechanics (QM/MM) MD; efficient structure exploration algorithms, such as replica-exchange MD (REMD) and generalized replica exchange with solute tempering (gREST); and free energy calculations using methods like free-energy perturbation (FEP). GENESIS efficiently performs large-scale MD simulations of biological systems using supercomputers such as “K” and “Fugaku,” and also efficiently performs calculations required for in-silico drug discovery, such as protein-substrate binding affinity and ligand binding pose. In recent years, we have also made significant efforts to improve efficiency in MD simulations with GENESIS on GPU-equipped computers. We have performed advanced optimization not only on Nvidia GPUs but also on AMD GPUs. Using LUMI, a supercomputer equipped with AMD CPU and GPU in Finland, we have demonstrated that all-atom MD simulations of a 16 million-atom system can be completed at a performance exceeding 200 ns/day. We have begun preparations for the release of a new version (2.2.0) of GENESIS that incorporates features already published in papers, including a more efficient coarse-grained MD program, CGDYN, ABMD methods for enhanced sampling with a reduced number of replicas. Our future goals include further optimizing GENESIS on Nvidia and AMD GPUs, as well as creating a Python interface to enable tight integration with machine learning and quantum computing. In the talk, we will also introduce the roadmap for these future developments. | |
| SS07-01 | |
| 牧口 大旭(株式会社ゼウレカ) | |
| 「Xeureka/Tokyo-1の紹介: AI創薬の動向とTokyo-1コミュニティの取組み」 | |
| SS07-02 | |
| 長岡 和也(アステラス製薬株式会社) | |
| 「Tokyo-1で加速する生成AIと高速シミュレーションを活用した多様な創薬モダリティ研究」 | |
| SS07-03 | |
| 黒野 昌邦(小野薬品工業株式会社) | |
| 「Tokyo-1GPUスパコンがもたらす創薬の革新」 | |
| SS07-04 | |
| 牧野 峻也(第一三共株式会社) | |
| 「GPUを活用したデータ駆動型創薬に向けた取り組み」 | |
| SS08-01 | |
| 西田 有騎(さくらインターネット株式会社AI事業推進室 クラウド企画リーダー) | |
| 「研究・開発を加速するさくらインターネットのGPUクラウド」 | |
| SS08-02 | |
| 小西 史一(さくらインターネット研究所 上級研究員)) | |
| 「日本語版医療LLMの開発におけるマネージドHPCクラスタサービス「さくらONE」の活用事例の紹介」 | |
| SS09-01 | |
| 松永 徹人(アマゾン ウェブ サービス ジャパン合同会社) | |
| 「AIエージェントが実現する次世代創薬研究プラットフォーム」 | |
| 創薬研究の効率化において、生成AIの活用が注目を集めている。AWSでは、Amazon Bedrock等の基盤的な生成AIサービスに加え、ライフサイエンス領域に特化した生成AIポータルやエージェントツールキットを提供している。本講演では、これらのサービスの実際のデモを交えながら、創薬研究における活用方法を紹介する。特にエージェントツールキットを用いた科学文献の要約や情報統合、実験プロトコルの最適化、研究データの解析支援など、研究者の日常的なタスクを効率化する具体的な実装方法について詳しく解説する。また、これらのツールを活用した海外製薬企業での先進的な事例や、化合物設計から実験実施、データ解析までを支援するDryとWetを統合したプラットフォームについても触れ、創薬研究の将来像を展望する。 |
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| SS09-02 | |
| 椎名 優司(アマゾン ウェブ サービス ジャパン合同会社) | |
| 「ゲノム解析と創薬研究を行なうための基盤構築に向けたAWSサービスの活用」 | |
| 創薬研究において、ゲノムデータの大規模解析と創薬候補物質の効率的な探索は重要な課題である。特に、解析環境の構築・維持管理や、データ処理パイプラインの最適化には多大な時間と労力を要する。これらの課題を解決するための解析研究基盤が求められているが、研究者が当該基盤の管理に悩まされることなく研究に専念できることもまた取り組むべき課題のひとつである。 本講演では、各課題に対するソリューションとして、AWSのクラウドサービス、特にAWS HealthOmicsとAmazon SageMakerを活用した基盤構築について解説する。これらを含むAWSサービスの活用により、いかに大規模なゲノムデータの保存から解析までを自動化し、機械学習の工程を統合的に管理し創薬候補物質のスクリーニングや作用機序の予測に役立てられるのか述べる。 |
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| SS09-03 | |
| 高橋 健太郎(エーザイ株式会社 DHBL ヒューマンバイオロジークリエーションハブ / インテグレイティッドデータサイエンス / ヒューマンバイオロジーデータエコシステム部) | |
| 「AIとともに拓くヒューマンバイオロジーの新しい理解」 | |
| エーザイでは、創薬においてヒューマンバイオロジーの考え方からヒトの病態や生理学に基づいた研究に取り組んでいる。本発表では、ヒューマンバイオロジーのエビデンスのさらなる理解にAI技術を活用する例として、Enformerを用いたゲノム配列から、公共のアルツハイマー病 (AD) コホートデータを活用した学習による遺伝子発現予測への応用、さらにGeneformerによるシングルセルでの細胞タイプ推定とin silico での遺伝子摂動解析による探索など、AIによる創薬応用の事例を紹介する。加えて、Amazon Web Services (AWS) を用いた大規模並列計算による解析基盤や、 LLMを活用したRAGシステムやマルチモーダルなデータ解析支援システムなどの取り組みを通じて、エーザイにおけるAWSのAI応用事例を紹介し、今後の展望について述べる。 | |
